Rokt(ロクト)は、日本のECサイトによるリテールメディア市場の拡大を目指すため、電通との業務提携を強化した。これにより、国内のEC事業者のリテールメディア事業参入を支援するとともに、こうしたECサイトに広告出稿する広告主の開拓を、両社で戦略的に取り組む。
リテールメディアとは、小売業者が店舗やECサイトから独自に収集・所有する顧客の購買データや行動データなどのファーストパーティデータを活用し、自社サイトなどをメディア化して広告を配信。広告による新たな収益を創出する手法。クッキーレスやATT(App Tracking Transparency)などの規制に影響を受けない新たな広告手法として注目されている。
Roktは、2012年にオーストラリアで設立。ECサイトの買い物を完了した直後の「購入確認画面」上に、顧客ごとに最適化した広告を表示するソリューションを提供している。同社が持つ機械学習技術と、ECサイトが収集・所有する顧客のファーストパーティデータを活用して、顧客の「次の行動(商品購入やダウンロードなど)」を喚起できる精度の高い広告を表示。これによりEC事業者は、自社サイトの購入完了ページを広告メディア化し、広告収入という付帯収益の創出が可能となる。
Roktと電通は2019年より業務提携を結んでおり、電通はRoktの日本国内におけるGo-to-market戦略の立案と実行を支援してきた。国内におけるリテールメディア市場の拡大を目指した今回の提携の強化にともない、電通は、電通が支援するEC事業者に対し、Roktの提供するEコマースマーケティングソリューション「Rokt Ecommerce」の導入支援を実施。EC事業者のリテールメディア型広告事業への参画をサポートする。
同時に電通は、国内の広告主に対してはRoktが提供する広告主向けソリューション「Rokt Ads」の提案および導入を推進し、広告主の広告メディア戦略においてリテールメディアを広告出稿先として選択できる環境を構築していく。
Roktは、今回の電通との提携の強化を通してさらに国内のリテールメディアの市場拡大を戦略的かつ積極的にリードしていく考え。