楽天グループは2023年5月12日、2023年度第1四半期の決算を発表した。2023年度第1四半期は、「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントで増収。当期連結売上収益は第1四半期として過去最高の4,756億円を計上した。詳細は次のとおり。
国内EC事業の流通総額・売上額ともに12%を超える成長
EC事業などを含むインターネットサービスセグメントでは、売上収益が前年同期比8.7%増の2,711億円となった。
国内ECの流通総額は1.4兆円を超え、前年同期比12.2%増となる2桁成長。また、売上収益は前年同期比12.1%増の2,050億円、国内EC Non-GAAP 営業
利益(会計規則により算出した営業利益から一時的な損益などを除いた調整後の数値)は、前年同期比3.0%増の210億円となっている。なお、国内EC Non-GAAP 営業利益に関しては、当期より楽天モバイルで計上されているSPUコストのうち19億円を楽天市場に移管。この影響を除いた場合の営業利益は前年同期比12.5%増となる。
楽天市場の購入者数は、2020年の同期と比較して29.1%増加。購入単価でも16.6%増加と堅調な成長を見せている。
国内EC事業の成長には、他セグメントサービスとのクロスユース効果も影響しており、特に楽天市場と楽天モバイル間では、MNO契約による1年間の流通総額押し上げ効果平均額が3万8,541円となった。
また、物流事業でも順調に数字を伸ばしている。2023年3月の契約店舗数は2022年3月と比較して42.7%増加し6,500店舗を突破。出荷件数では、2019年から2022年のCAGR(年平均成長率)が27.5%増となっている。
米国を中心にEC事業を展開する「Rakuten Rewards」では、売上収益が前年同期比1.4%増の1.86億ドル、流通総額が前年同期比5.5%増の26億ドルとなるなど、海外事業も拡大している。
楽天カードのショッピング取扱高は4.9兆円に到達
楽天カードや楽天銀行などを提供するフィンテックセグメントにおいて、当第1四半期の売上収益は前年同期比7.6%増となる1,680億円。Non-GAAP 営業利益は前年同期比20.4%増の266億円で増収増益を達成した。
楽天カードにおける売上収益は、ポイントコスト控除後の売上収益成長率3.7%の750億円だった。なお、控除前のポイントコストを含めると、売上収益成長率は12.0%となる。
Non-GAAP 営業利益は前年同期比12.3%増の125億円。楽天カードの発行枚数は2023年3月末に2,863万枚となり、当第1四半期のショッピング取扱高も4.9兆円に到達している。
楽天グループは楽天カードにおいて、カード発行枚数3,000万枚、ショッピング取扱高30 兆円、取扱高シェア30%を目指すとしている。