クックパッドは、生鮮食品EC「クックパッドマート」で独自の新たな流通網を構築することにより、一般流通していない山梨県産の桃の取り扱いを開始した。
今回販売している桃は、従来の出荷基準に満たず産地で廃棄されている規格外の桃や、人手不足で収穫されないまま熟してしまった未収穫の桃で、生産者や仲卸、加工事業者と連携することで、生活者に低価格で旬の桃を届けることを可能とした。
クックパッドマートで山梨県産の一般流通していない桃を1玉あたり税込99円から販売開始
販売しているのは従来の出荷基準に満たない規格外の桃や、人手不足で収穫できないまま熟してしまった桃で、従来であればそのまま廃棄されてしまうもの。生産者や仲卸とともに新たな選果基準を設け、生産者の人手不足を補う仕組みを構築し、独自の流通網を活用することで低価格を実現した。同社が生産者と仲卸、加工事業者をつなげる取り組みは今回が初めてとなる。
同社はこれまで、2022年3月に発表した「産直アウトレット」をはじめ、さまざまな事情で一般販売されない多くの「訳あり」食材を取り扱ってきました。食品ロス削減意識の高まりや、低価格で食材が手に入れられること、またそれぞれの商品の背景にあるストーリーなどが多くのユーザーに受け入れられている。
各地の生産者や卸など食品流通の上流で在庫過剰になっていたり、廃棄せざるを得ない状況になっている食材を取り扱うなかで、桃の収穫量が全国の32%を占め、昨年度3万4,600トンを収穫している山梨県では、出荷基準に満たないために廃棄されている規格外の桃や、人手不足が要因で未収穫のまま熟してしまい活用されていない桃が大量にあることがわかった。
そこで今回、山梨県の生産者や市場の仲卸、加工事業者をつなげ、クックパッドマート独自の流通網を活用することで、食べられるはずの桃の廃棄を減らし、低価格でクックパッドマートユーザーに旬の桃を届ける施策の実施に至った。
同施策で販売している山梨県産の桃について
今回取り扱うのは、山梨県で50年以上に渡り果樹を栽培しており、認定エコファーマーとして品質と安全にこだわった果物を育てている、やまなし内藤農園の桃。従来の出荷基準に満たない規格外のものは仲卸が集荷し、クックパッドマートが生産者・仲卸とともに設けた新たな選果基準に基づいて、出荷可否を判断する。出荷可能なものはクックパッドマートで販売され、出荷不可となったものは加工用としてクックパッドマートに出店している加工事業者のもとへ渡る。
また、人手不足により収穫されないまま熟してしまっているものは、仲卸がほかの農産物の集荷時に収穫を代行し、出荷をサポート。収穫の人手を確保することで、より多くの生活者に旬の桃を届けることを可能にした。
生産者や仲卸、加工事業者をつなげて実現した今回の仕組みは、クックパッドマートでは初の取り組みとなる。
規格外の桃について
選果基準の例
- 打ち身、発色不良など見た目が従来の出荷基準に満たないもの
- 核割れ(桃のなかで種子が割れているもの)