セールスフォース・ジャパンは、Salesforce Commerce Cloudで容易にヘッドレスコマースを実現する「Progressive Web App Kit 」と 「Managed Runtime」を日本市場で提供を開始した。
ここで言うヘッドレスコマースとは、ECサイトのプラットフォーム構築において、消費者のタッチポイントである「フロントエンド」と、決済、在庫管理、配送などの運用側が管理する「バックエンド」を分離させて開発・運用する設計思想のこと。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるECサイトの需要が拡大。他社との差別化を図るため、統一された自社ブランドの訴求とより優れたウェブ体験を迅速に消費者へ提供できるヘッドレスコマースの実現に取り組む企業が増えているという。
PWA KitとManaged Runtimeを利用することにより、Commerce Cloudでヘッドレスコマースを実現するためのストアフロントの開発期間を大幅に短縮し、ストアフロントを高いセキュリティ環境でホスト、スケーリングできるため、インフラストラクチャ運用の負担軽減とコスト削減が可能に。これにより、Eコマースサイトの開発者はより優れたブランドサイトの実現や購買体験の向上のための開発に専念することができる。
PWA Kitの主な機能の特徴は、次のとおり。
高速で快適なエクスペリエンス
Service Workerやウェブアプリマニフェストなどのウェブテクノロジーを利用して、ネイティブアプリと同じような感覚で使えるウェブサイトを構築
PWAを短期間で開発可能
パフォーマンス重視のテンプレートとEコマースに必要な機能を含んだアプリジェネレーターで、新しいAPI連携型PWAをすばやく立ち上げることが可能
開発者やデザイナー向けの効率的なツール
ベストプラクティスに沿ったReact(UI構築のためのJavaScriptライブラリ)コンポーネントを含むオープンソースのソフトウェア開発キット(SDK)とユーザーインターフェース(UI)コンポーネントを含むPWA Design Kit
容易な設定のみでCommerce Cloudと連携
Einsteinレコメンデーション、決済、検索機能との連携を容易に組み込み可能
Managed Runtimeの主な機能の特徴は、次のとおり。
スケーリングの機能を備えたパブリッククラウドネイティブなプラットフォーム
スケーリングの機能を備え、99.99%の稼働率を誇る、パブリッククラウドネイティブなプラットフォームで、トラフィックのピーク時でも高い稼働率を実現
エンタープライズレベルのセキュリティ機能を組み込み
ウェブアプリケーションファイアウォール、DDoS攻撃への対策、Salesforceによる継続的なセキュリティ監視、24時間365日のセキュリティ対応チームによりセキュリティ対策をサポート
ウェブコンテンツを効率的かつ迅速に配信するためのグローバルなコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)とサーバーサイドレンダリング
高性能なキャッシュとCommerce APIの迅速な応答によって実現される、グローバルなCDNとサーバーサイドレンダリングで、最適なパフォーマンスを提供
管理ポータル、自動モニタリング、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)
自動モニタリング、CI/CD、プロジェクト管理ポータルにより、効率的な開発を実現
Commerce CloudのB2C CommerceプラットフォームのストアフロントオプションであるPWA KitとManaged Runtimeは、バックエンドから切り離されている。フロントエンドは、ウェブサービスアプリケーション同士の通信を支援するREST APIを介してバックエンドと通信するため、俊敏性と柔軟性が向上。また、ヘッドレスコマースのフロントエンドとバックエンドを分離することにより、ユーザーのビジネスに最適で、よりシンプルなアーキテクチャを選択できる。
Salesforceのヘッドレスコマースソリューションは、俊敏性と柔軟性を兼ね備えることにより迅速に新しいウェブ体験を市場へ展開可能にする。ユーザーは、最新のインフラストラクチャと開発効率化ツールにより、高い生産性を維持しながらイノベーションを推進できるため、ビジネスの成長を加速させる最適なコマースを実現できるようになるとのこと。