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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

grams艸谷と探る デジタル接客の可能性と未来

売るために、切り離せない「3つのつながり」

 実店舗を持つ企業・ブランドが、自社のポテンシャルを活かしながらECでのCXを向上させる手段のひとつとして注目を集めるデジタル接客。株式会社gramsの艸谷さんとともに、その可能性と未来について考えていきましょう。第2回は、「店舗・EC・Instagramの役割」をテーマにお届けします。 ※本記事は、2021年9月24日刊行の『季刊ECzine vol.18』に掲載したものです。

 第1回では、「押さえておきたいデジタル接客の基本のき」についてお伝えいたしました。準備段階に行うべきこと、持つべきマインドをご理解いただいた上で、第2回では、Instagramを活用してデジタル接客に取り組む前に「店舗・EC・Instagramの役割を認識できているか」を改めて確認していきたいと思います。各ポジションがどのように作用しているかを知ることは、デジタル接客を始める上で非常に大切です。

今こそ整理したい店舗・EC・Instagramの役割

 まずは、店舗の役割から整理をしていきましょう。お客様から見た店舗が持つメリットは、次の3つになります。

  • 商品を自分の目で確かめることができる
  • 試着ができる
  • 販売員からアドバイスをもらうことができる

 商品と直接触れ合いながら、あらゆる角度で検討できるのが店舗の優位性であり、こうした場を与えるのが店舗の役割だと言えます。店舗で予想もしなかった商品と出合い、衝動買いをしてしまった。誰もが一度はそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。

 対するECが持つメリットは、「どこにいても自分の好きなタイミングで商品を購入できる」「商品詳細を知ることができる」点にあります。普段店舗で商品を買うことが多くても、帰宅後に店舗で見た商品がやはり欲しくなり、後日ECで購入した。そんな経験をお持ちの方もいるのではないかと思います。いつも同じブランドで洋服を購入する方は、サイズ感も把握できているため、店舗へ行かずECで買い物を済ませることも可能です。いつでもどこでも商品・ブランドと接点を持つことができる。それがECの役割と言えます。

 最後にご紹介するのは、Instagramの役割です。Instagramは、「リアルな着こなし」や「トレンド」「クチコミ」を一気に知ることができる場となっています。「ECではサイズ感や着用イメージが掴めず、購入を決断する決定打に欠ける」「店舗に足を運ぶのが難しいためEC購入を検討しているが、プロの意見も聞きたい」――こうした迷いを持つ方々に手を差し伸べることができるのが、Instagramなのです。

 お客様はInstagramに「不安や疑問点を解消できること」「実生活で着用(使用)した際のイメージが描けること」を求めています。つまり、Instagramで情報発信する上では「リアルクローズ感」がもっとも重要になるのです。

 販売員がスタイリングをInstagramで発信するようになり、これまでは「店舗で試着をするか」「ECのサイズ表をチェックするか」の2択しかなかった商品検討時の悩みの解決方法に選択肢が増えました。シルエットや絶妙なサイズ感といった不安要素も、Instagramであれば一気に解決することが可能です。インスタライブ(Instagram内で利用できるライブ配信機能)中に、「身長155cmの標準体型ですが、SサイズとMサイズどちらが合いますか?」と個人的な質問(コメント)を投げかけることもできますし、ビデオチャット機能を活用して店舗さながらの1対1の接客サービスを受けることもできます。お客様からすれば、家にいながら店舗と変わらない体験ができ、まさにオンラインとオフラインの良いところ取りをしている状況と言えます。

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この記事の著者

株式会社grams 代表取締役 艸谷真由(カブシキガイシャグラムス ダイヒョウトリシマリヤク クサタニマユ)

アパレル販売員を経て、百貨店やブランドがお客様とのつながりを強化するための仕組みとビジュアルを制作。商業施設公式インスタのクリエイティブから館内ポスター・駅広告も展開。また、全国の商業施設やアパレルブランドにてSNS研修も実施。『「こだわり」が収入になる!インスタグラムの新しい発信メソッド(同文舘出...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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