実装から3ヵ月も利用は活発 中身を分析してアップデートを
ユーザー同士がQ&Aでコミュニケーションを行うようになったことで、アプリを含めたECにどのような変化が起きたのだろうか。
田中(アダストリア) 売上アップやコンバージョン率の改善といった目的ではなく、コミュニケーションのトライアルのひとつだと考えています。このサービスがあるからこそ、このECが良いと思ってくださるお客様がひとりでも多くいてくだされば良いという思想です。「.st(ドットエスティ)」では、お客様から定期的にご意見をいただいていますが、今回の「商品Q&A」についてもいくつかお声が届いています。一部ご紹介すると「購入者の方が質問に答えてくださり、ありがたいし本当に参考になりました」「他にはない機能ですごく参考になります」「洗濯はどうしているかなど、他の人の意見を見ることができて参考になります」「身長が153cmなのですが、同じくらいの身長の方からスカート丈について具体的なアドバイスをもらえて本当に参考になりました」といったものです。たとえば身長153cmの方がスニーカーを履いた時のスカートの丈感のような情報について、すべての商品の商品詳細部分にあらかじめ記載しておくのは難しい。それが「商品Q&A」によって解決することができています。つまり、お客様にとってかゆいところに手が届くサービスになっているのではないでしょうか。
出張(ZETA) ご利用状況から、ユーザーの皆様がコミュニケーションを求めていらっしゃることを実感しました。商品を購入する前に質問したい方がいらっしゃるのはもちろん、自分が購入した商品について語りたい方もたくさんいらっしゃる。これまでのECに欠けていた機能ですよね。リアル店舗では、店員さんからアドバイスを受け「こういう使いかたもできるのか」といった気づきを得て購入する機会が多々あったと思います。ECでは、そういった質問ができず、レビューがある場合にはそれを一方的に読み取り参考にする程度でした。今回のQ&A機能により、Qの形でもユーザー様が発信できるようになり、購入したユーザー様は自分の体験をAという形で共有できるようになった。ECがよりインタラクティブなものに進化したのではと捉えています。
中元(ZETA) 現時点で導入から3ヵ月ほど経っていますが、質問数6,912件、回答数3万7,521件と回答のスピードがまったく落ちていないことに驚いています。アダストリアのユーザー様の関心の高さを感じます。
ECにインタラクティブな要素を取り入れ、かゆいところに手が届く情報提供が可能になった。今後、「商品Q&A」について改善やアップデートの予定などはあるのだろうか。
田中(アダストリア) 中身の分析を進めています。たとえば、「お客様が質問してくださるメリットは回答が返ってくるからだ」といった程度の考えに留まらず、より深く掘り下げていきたいのです。どう改善すればよりお客様のためになるのかという視点から、システム面だけでなく中身の部分をより良くしていきたい。サービスとして、まだまだ未完成だと思っています。