Q&Aをもとに付加価値情報でエモーショナルな検索の実現へ
「人の気配のあるサイトにしたい」とは、ECではよく言われることだ。今回のアダストリアの取り組みとその反響を見るに、ECを活性化していくには、ユーザー側から参加してもらうことが不可欠だとわかる。
田中(アダストリア) お客様側から自発的に参加してくださるようになったら理想的ですよね。人気のあるSNSを見ても、人の肌感を感じられるものが使われている。それはSNSだからできることで、ECでは無理なことと線引きせずに、今回の「商品Q&A」のようなトライアルを重ね、挑戦を続けたいと思っています。
さまざまな新しい取り組みが、次々に打ち出されるアダストリアのEC。今後の展望と、それに伴いZETAをはじめとするシステムベンダーにはどのような協力を求めているのだろうか。
田中(アダストリア) 顧客接点であるECを再定義し、お客様にとってものを買うだけではない価値を、人の力を活かして作っていきます。ECにはECの限界があり、リアルにはリアルの良いところがある。どちらを選ぶかは、その時のお客様のご都合次第ですから、アダストリアではどちらの価値も高めていきたいと思っています。お客様のためになり、アダストリアが向かう方向性とシステムベンダーさんがやりたいことがマッチした時には、ぜひ一緒にやっていただきたい。ZETAさんとは、今回の「商品Q&A」のデータが貯まっていけば、レビューと掛け算することで新しい価値が生まれていくと考え、それを一緒に模索していこうと進めています。システムはトータルで揃えたほうが掛け算した価値が出せることも理解しています。バラバラの手法論ではなく、さらにお客様に寄り添うために何ができるかという視点からのアプローチを期待しています。
市川(ZETA) 「ZETA VOICE」の強みとしては、ブランドごとにレビューの質問項目を変更したりといった細かい調整が可能であるため、Q&A機能との掛け合わせでさらにお手伝いできる部分があるのではと思っています。ZETAのメインツールであるEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」は、コロナ禍によって蓄積したコーディネートの画像やQ&Aなどオンラインのデータを用いることで、商品検索だけではない、本質的な価値を提供する上でもご支援させていただきたいです。
出張(ZETA) お客様が商品を検索される際、現時点ではカテゴリやスペックの情報で検索されています。Q&Aやレビューのデータを活用することで、ユーザーが持った「感情」という新しい軸での検索が起きてくると考えています。「.st(ドットエスティ)」上に、ユーザーの感情という軸を加えたエモーショナルな新しい検索を創出するご提案ができればと思います。
田中(アダストリア) 商品の情報をアップデートしていくという概念ですよね。商品情報は、基礎情報と付加価値情報のふたつに分けることができると考えています。基礎情報は企業側が考える、素材、色、ワンピースといったカテゴリです。これがないと、そもそも商品について伝えることができません。一方の付加価値情報は、お客様側から生まれる、たとえば「着心地がゆったりしている」「結婚式の二次会用」といったものです。この付加価値情報が、今後テクノロジーで変わってくるおもしろい部分だと思っています。付加価値情報を、お客様のためにどう作っていくかにも積極的に取り組んでいきたいですね。
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