この記事から5回にわたり、食品・ギフト業界のECサイト展開における成功事例とポイントをお届けいたします。第1回は、「コロナ禍におけるEC市場の変化」についてです。
2020年初頭から、世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。人々の生活は大きく様変わりし、経済も大きな打撃を受けています。今回は、当社が提供するECサイト構築クラウド型カートシステム「aishipR/aishipGIFT」を導入するECサイトの利用状況をまとめたデータから、新型コロナウイルス感染症の拡大がECサイト市場に与える影響について考えたいと思います。
ECの注文件数は、2020年春の緊急事態宣言発令後に急増
上のグラフは、2019年・2020年の3月~4月における注文件数の推移を週毎に集計比較したものです。青色が2019年、オレンジ色が2020年のデータとなっています。また、グラフ上の赤文字は昨年同期比の比率を表しています。
注文件数は、すべての週において昨年よりも増加しており、EC利用は全体的に伸びていることがうかがえます。なお、日本全国に緊急事態宣言が出された4月中旬以降は前年比約210%の伸びを記録しました。ゴールデンウィークに向けて注文件数が格段に増えるのみならず、前年比との差も大きくなっていることがわかります。
このグラフから読み取ることができるポイントは、次の4点です。
- 2020年3月22日週は前後に3連休があり、いわゆる「気の緩み」で外出が増えたためか、注文数は若干減少している
- 東京都など7都府県に緊急事態宣言が出された2020年4月7日以降の注文件数の伸び率は、それ以前の期間に比べ高くなっている
- 緊急事態宣言が全国に拡大した2020年4月16日から4月末にかけて、前年比の伸び率が大幅に増加している(最大約210%)
- 前年比の伸び率は、ゴールデンウィークに向かうにつれて急激に増加している
データを見ると、政府が発令した緊急事態宣言により国民に外出自粛の意識が高まり、いわゆる「巣ごもり消費」が大きく拡大。その結果、ECサイトにおける注文件数も大幅に増加したと推測することができます。