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[ECzine Press 2020 Summer]ECで困ったらこの1冊!ショップ店員のDX編

ショップ店員のセールススキルをデジタルで拡張 選ばれし企業・ブランドになるため改革を


 コロナ禍における外出自粛要請を機に、ECでものを買う習慣が昨今より多くの人々に広がっている。実店舗が営業を再開しても、以前のように積極的に集客を行うことが難しい中、ショップ店員が顧客とコミュニケーションを取り、自店舗や企業・ブランドの売上に貢献するひとつの手段として、販売活動の場をデジタルに拡充する方法がある。ショップ店員に新たな活躍の場を提供するために、企業・ブランドは今何をすると良いのか、ファッション・アパレル専門のマーケティングを手掛ける合同会社プレイ 代表の四元亮平さんに話を聞いた。

知識なき運用に成功はなし ショップ店員のDXに必要なファーストステップとは

タイトル
合同会社プレイ 代表 四元亮平さん

――企業・ブランドは、これから「選ばれる店」になるために、より積極的に工夫を凝らす必要がある時代ですが、具体的にどのように変わっていくべきなのでしょうか。

まず留意していただきたいのは、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、実店舗の価値が変容しているということです。街にある多くの店舗が約2ヵ月間営業を休止している間に、「実店舗にいかなくてもなんとかなる」と気づいてしまったお客様も少なからずいらっしゃいます。いわば、実店舗の価値が下がってしまっている状況です。

 実店舗の価値が低下しているということは、実店舗内で働いているショップ店員の価値も相対的に下がってしまいます。セールスの実力は決して衰えていなくとも、世の中が大きく変化してしまったのです。

 これまで多くの企業・ブランドは、リテールに軸足を置いて成長を続けてきました。世の中のデジタル化が進んでも、売上のほとんどは実店舗によるもので、ECはあくまで補完的役割だと考えていた方も多いでしょう。しかし、その認識を改めなくてはいけない時期に来ていることは間違いありません。ふらっと買い物をする人々が訪れる場所は、すでに実店舗ではなくデジタル上へとシフトし始めています。そうした際に、わざわざ時間や手間をかけて足を運ぶ実店舗とは、どのような価値提供をする場でなくてはならないなのか、来店客が減れば必然と売上も減少しますが、この状況においてもショップ店員の生産性を落とさないようにするにはどうしたら良いのか、ぜひ一度立ち止まって考えていただきたいです。

――売上の多くを実店舗で生み出してきた企業・ブランドは、デジタル化が十分に進んでいない恐れもあります。まず、何から取り組むと良いのでしょうか。

 知識を身につけるところから始めると良いでしょう。いわゆる本部組織が「デジタル化しよう」と叫んでいても、実は自分たちもデジタルをよくわかっておらず、コンサルティングを完全に外部委託してしまう、といったケースも少なくありません。

 そもそも、これまでの企業・ブランドは、リテールの力が強いが故に、「アナログな場からどうデジタルに来てもらうか」を主軸に考えていました。これはいわゆるデジタルマーケティングですよね。ショップ店員は、セールスを専門分野としている人たちです。目の前にいるお客様に対して、1to1でものを売る力には長けていますが、自分から情報発信をして人を呼び込むことは、これまで能力として求められていませんでした。それをいきなり業務の中では馴染みのないデジタルで、「何百人ものお客様を呼び込みましょう」と言われても、上手くいくほうが稀なのです。たまたま、自己プロデュースの才能がある一部のショップ店員のSNS運用が軌道に乗ることはあるでしょう。しかし、知識を与えずに取り組んでも、多くのショップ店員が「なんだかうまくいかない」「よくわからない」とデジタルアレルギーを起こしてしまい、本来得られるはずの成果を得ることもできない、といった悲劇に陥る可能性が高いです。

 こうならないためにも、デジタル活用を開始する前にショップ店員を統括する立場の店舗マネージャーやエリアマネージャーなども含め、実店舗運営に携わる人全員のデジタルリテラシーを上げていく必要があります。そして、デジタルを活用してショップ店員の生産性をより最大化するのであれば、デジタルマーケティングではなく、デジタルセールスに取り組まなくてはいけません。すでに持っているサービス力、提案力をデジタルで拡張するイメージです。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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