2019年、自社ECの成長率を調べてみた
まずは2019年、1年間の状況を見てみます。次のふたつの条件にあてはまる360店舗を抽出し、調査を実施しました。
- 2017年1月から2019年12月までfutureshopを継続利用
- 毎月60件以上受注があり、PC・スマートフォン各デバイス別の受注がそれぞれ毎月30件以上
受注件数の成長率
2018年成長率(2017年比) | 2019年成長率(2018年比) | |
---|---|---|
全体 | 104.41% | 104.09% |
スマートフォン | 121.19% | 119.96% |
PC | 95.09% | 92.84% |
購入単価の成長率
2018年成長率(2017年比) | 2019年成長率(2018年比) | |
---|---|---|
スマートフォン | 103.42% | 104.34% |
PC | 104.83% | 104.76% |
抽出した店舗様では、受注単価、購入単価の両方とも昨年と同程度の成長をみせました。
では、消費税増税そのものが自社ECの売上に影響は与えなかったのでしょうか。また、増税前の駆け込みや増税後の買い控えはあったのでしょうか。次から月ごとに詳しく見ていきたいと思います。
2019年、自社ECの月別受注件数の推移は?
次に2019年内の月別の状況について、調査します。このグラフでは受注件数を昨年、2018年同月と比較した数字をまとめています。
全体を見ると、消費税増税前の8月・9月にピークを迎えた後、消費税増税が実施された10月に一気に落ち込み、その後の2ヵ月は他の月と比べてやや落ちる成長率を示しています。
この10月というのが厄介なタイミングで、年末、とくに12月の年末商戦に影響を与えたのではないかという個人的な懸念がありました。12月の1ヵ月間で2ヵ月分近くの受注がある業界もあり、そうであれば影響は深刻です。
はたしてどの業界が影響を受けたのか、また、軽減税率対象商材を扱っている業界は影響を受けなかったのか、調査しました。
グラフの補足ではありますが、スマートフォンの8月・9月で昨年同月比を大きく上回っていた理由のひとつに、メディアに大きく取り上げられ、この2ヵ月間大量の受注があった店舗様が含まれていたことが挙げられます。一方、その店舗様を差し引いても8月・9月は平均120%前後と算出され、生活者は8月・9月で消費税増への準備を済ませていたと考えられます。