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ECzine Day 2024 Spring

2024年3月14日(木)10:00~16:20(予定)

季刊ECzine vol.11特集「2020年のコマースを占う~おさえておきたいリテールテック~」

サービス開始から1年で大躍進 「選ばれる決済手段」になるための次の一手とは

 業界に激震を与えた「100億円あげちゃうキャンペーン」から1年。成長軌道を躍進中のPayPayが見据える「キャッシュレス社会」の未来とは。 ※本記事は、2019年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.11』に掲載したものです。

 「キャッシュレス元年」と言われる2019年に先駆け、2018年10月5日に誕生したスマホ決済サービス「PayPay」。同年12月に行った「100億円あげちゃうキャンペーン」で一気に知名度を上げ、キャンペーン終了時には300万人以上もの登録ユーザーを獲得。その後も勢いは衰えることなく、ぐんぐんとユーザー数を増やし、2019年11月17日には2,000万人を突破している。キャンペーンのインパクトは当然ながら、その後も順調にユーザーを獲得できたのは、的確かつタイムリーな施策の勝利と言えよう。さまざまなサービスがしのぎを削るなかで、PayPayが大躍進を遂げられたのはなぜか。そして、今後をどのように考えているのか。マーケティング本部 広報室の西川さんに話を聞いた。

PayPay株式会社 マーケティング本部 広報室 西川満美子さん

目的が異なるキャンペーン戦略 見事に決まった「広告と営業の連携」

 耳に残る音楽とダンスのCMで強烈な印象を残したPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」。2018年12月時点の日本ではほとんど一般化していなかったスマホによる二次元コード決済サービスがにわかに注目されたことで、ニュースやSNSでも大騒ぎとなった。翌年2月にはすぐに「第2弾100億円キャンペーン」が開始され、以降月ごとにさまざまなキャンペーンが続いている。

「第1弾と第2弾は同じ100億円規模のキャンペーンですが、第1弾ではPayPayを“知っていただく”ため、第2弾はアプリを入れてくださった方々に“日常的に使っていただくこと”を目的としました。実は、第1弾のキャンペーン後は決済回数が減ってしまったのですが、第2弾で『いつも行く店でも使える』と知った方が継続して利用してくださり、その後も毎月どこかでお得に利用できる『ワクワクペイペイ』を展開したことで、PayPayを使うとお得だというイメージと利用意向のアップにつながりました。おかげさまで、右肩上がりに登録ユーザー数が増加し、約1年で2,000万人以上が利用するサービスに成長しました」

 まさに「知る」で垂直に立ち上げ、「使ってみる」で拡散させ、「使い続ける」で定着させるという3段ロケット方式。2019年10月1日の消費税増税でさらに上昇角度が鋭角となったのも、狙ってのことなのだろうか。

「多少は期待していましたが、ここまで大きな影響があるとは驚きでした。とくに事業者の方の契約数が急増し、毎日のように報道も行われていたことから利用者数も増えたという印象です。消費者と同時に事業者にも認知が広がっていたところに、キャッシュレス・消費者還元事業が追い風となって、利用者・加盟店が急増したのだと思います」

 ドラッグストアなど事業者ごとにキャンペーンを行うワクワクペイペイでは、還元費用を一部PayPayが負担することも。事業者にとっては販促にもつながるため、施策のインパクトは大きく、導入の気運が高まったと言う。しかし、さらに加盟店数を押し上げたのは、地方の小売店などの小規模事業者だ。

「事業者の皆さまのPayPay認知度向上と並行して、全国20拠点の営業チームが大活躍しました。サービス開始当初は、地方の事業者の方からは『キャッシュレス決済なんて』という声も多かったです。しかし、『初期コストがかからないこと』『2021年9月30日まで決済手数料が発生しないこと』『決済日の最短翌日には銀行入金がされること』など、CMや広告だけでは伝わりにくい事業者の方向けの導入メリットを“対面で”お伝えしていきました。直接お会いしてご提案することで、サポートに対する安心感も持っていただけたのだと思います」

 確かに利用者が増えても使える店舗が増えなければ、サービスは停滞する。母体であるソフトバンクの営業ノウハウを活かしながら、タイミング良く事業者にアプローチできたことが大きな成果につながったというわけだ。

PayPayユーザー数の遷移

好評だった「100億円あげちゃうキャンペーン」の後も毎月キャンペーンを展開。右肩上がりに利用者を増やし、2019年11月には2,000万人を突破している。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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