AIが宿泊予約のコンシェルジュに チャットボット「tripla」とは
――チャットボットサービス「tripla」を導入している企業の9割は宿泊施設のようですね。元ホテルマンの柏木さんから見て、「tripla」を導入することのメリットを教えてください。
柏木 私は1997年入社で2011年まで某チェーンビジネスホテルで働いていました。入社当時はまだインターネット予約もない頃で、宿泊予約は主に電話で対応していました。もうそれこそ四六時中、電話をとりまくっていましたね(笑)。で、2000年過ぎたあたりから、電話予約も減ってきて、ウェブサイトからの予約に切り替わってきました。それでもまだ電話予約はありましたので、チェックイン業務をしながら、電話予約を取ったりしていたんです。
ただ、電話予約を受けていると、チェックイン業務が遅れて、フロント前に列ができてしまうんです。そうすると焦ってしまって、予約のミスが発生することが何件かありました。ましてや外国人から電話がかかってくるとそれこそ大騒ぎで(笑)。
そう考えますと、手前味噌にはなりますが、「tripla」のような多言語対応のチャットボットを導入すると、公式ウェブサイトからAIが予約を完了してくれますし、AIが対応できない問い合わせなどは、オペレーターが対応してくれるので、こんな楽なことはないですよね。近い将来に、決済機能も連動する予定ですので、正直、コンシェルジュを1人雇った以上のパフォーマンスをしてくれると思います。
――AIが予約を取るというのは、どういった流れで行われるんですか?
柏木 例えば宿泊施設様のウェブサイトにお客様が訪れ、ウェブサイトに設置されたチャットボットで「予約をしたい」などの質問をすると、AIが「いつ宿泊ですか?」「大人は何名ですか?」「お部屋タイプは?」などお客様を誘導していきます。お客様はそれに答えていただければいいだけです。
これまでのウェブサイト予約は、自分の頭の中で、「どの部屋にしようか」「ここをクリックすればいいのかな」「あれ?最適な宿泊プランはどれだろう」など、いろいろ思考を巡らせながら予約をした経験があるかと思います。これは、“予約のセルフサービス”みたいなもんですね。チャットの場合は、ウェブ上でホテルスタッフと会話しているかのようにわかりやすく、予約完了まで行ってくれます。“宿泊予約のコンシェルジュ対応”といったところでしょうか。これだけで予約率、サービスの向上につながることがおわかりかと思います。