5)ユーザーが検索してから、購入するまでのフローが考えられているか
ユーザーが最初にサイトを訪問した際、「どういった情報を伝え、どのページに遷移させ、購入に導くのか」が具体的に設計されていないサイトがまだまだ多く、商品を掲載しただけのサイトになっているケースも見受けられます。
そのような状態だと、トップページを訪れたユーザーは、いちばん気になる商品の詳細ページへ遷移したあと、すぐに離脱してしまうということになりかねません。
必ずしも商品詳細ページへ最短ルートで遷移させることが商品を販売するのに最適な手段ではない、ということを覚えておいてください。昨今のユーザーは購入する前にレビューを見たり、自分がその商品を実際に使用している場面をイメージすることも多いからです。
あるアパレル越境ECサイトでは、広告でユーザーを集客した結果、初回訪問では多くのユーザーが購入しませんでした。そこで、Google AdWordsのリマーケテイングを活用し、サイト上のレビューが掲載された一覧ページと、商品が掲載された一覧ページに誘導してみました。
それぞれのユーザーの購入率(訪問数÷購入数)を見てみると、レビューを閲覧しているユーザーと閲覧していないユーザーでは、圧倒的にレビューページを閲覧しているユーザーの購入率のほうが高い結果になりました。
それらをふまえこのサイトでは、広告経由だけではなく、自然検索経由のユーザーにもレビューを見てもらえるよう、レビューページへの導線を追加するようにしました。
6)商品の魅力を伝えることができているのか
購入に繋げるためには、商品の魅了を十分に伝えることも不可欠です。ただ商品を掲載していれば売れるサイトというのは、一部に圧倒的なニーズがあるか、希少性が高いかのどちらかです。
日本の商材を海外に販売する場合、そもそも商品の認知度が低いことが多いため、顕在化していないニーズ(悩み・願望)を持ったユーザーに向けてリーチし、商品の価値を伝える必要があります。
7)利益を出す戦略が練られているか
前述のように、損して得取れ作戦が有効な場合も多いです。まずは、リーズナブルかつ魅力的なスター商品を作り、ユーザーの心を掴むことで最初の購入ハードルをクリアすることが大切です。
その後、メルマガなどのCRM施策や同梱物を通してアップセル、クロスセルを狙うというのも効果的ですし、オンラインだけが売上アップのチャンスではありません。
あるアパレルサイトのお客様では、同梱物の中に割引コードが入ったお客様紹介カードを忍ばせて紹介を促しています。
また、ある伝統工芸品の販売サイトでは、Instagramのページに遷移するQRコードとハッシュタグを載せて、購入者に投稿を促していました。そのサイトでは日本から希少なアイテムを購入しているためか、紹介やソーシャルでシェアがされやすく、それぞれリピーターの獲得に繋がっていました。
「なぜ自社が選ばれるのか」を整理し、サイト設計から見直しを
越境ECを通して海外のお客様に商品を届け、売上を伸ばしていくために始めたのに、いつの間にか越境ECサイトを構築することで精一杯になってしまう企業も少なくありません。
今回は優れたユーザーエクスペリエンスにフォーカスし紹介しましたが、商品力や品揃えで他社を圧倒する戦略も効果的です。
越境ECサイトを通して売上を上げていく道は険しいですが、それだけ競合他社もきっと苦労しています。御社独自の優位性を見つけ、海外で売上を伸ばしていってください。