美容家・山本未奈子開発コスメ「シンプリス」の越境EC
「SIMPLISSE(シンプリス)」は、美容家・山本未奈子さんが開発したコスメブランドで、メディアにも多数掲載された実績を持つ実力派ブランド。そのシンプリスが唯一、越境ECの販売先として提携しているプラットフォームが、インアゴーラ社が運営する「豌豆公主(ワンドウ)」です。二人三脚の越境EC、なぜこのチームが生まれたのか、通販評論家の村山らむねさんが聞きました。
村山らむね まず、シンプリスさんについておうかがいします。化粧品会社さんとしてはまだ新しいということですが、成り立ちを教えていただけますか。
中村(シンプリス) シンプリスは、2009年にできた美容ブランドです。開発者は、山本未奈子という美容家です。もともと美容が大好きで、国内外問わずいろんな化粧品を使ってみては、もっと美しくなりたいと思っていたのですが、専門知識がなかった。そこで、ご主人の転勤をきっかけにニューヨークに行った際に、美容学校に通いました。そこで学んだことが、それまでの常識を覆す驚きの連続だったそうで、彼女はますますのめり込み、学校を首席で卒業しました。あまりに成績が良かったので、学校側から非常勤でもいいから講師をしてほしいとオファーがありました。
村山 それはすごいですね。
中村 もともとアジア人も少なく、日本人で講師になるというのはとてもめずらしいケースだったようです。そうした、美容のプロを目指す人たちに講師として教えながら、「この知識を日本人女性に伝えたい」という思いがふつふつとわいてきて、帰国し、美容家として活動を始めました。その際に、自身の美容理論を詰め込んで作ったのが、シンプリスという美容ブランドです。2009年7月のスタートでした。
村山 まず国内でのスタートですね。どのような販路で売っていらっしゃったのですか?
中村 スタート時は、オンラインストアのみでした。2009年って、ブログのすごく栄えた時代だったんです。山本は2006年あたりから、美容について学んだことをブログに書いていました。すると、自然発生的に読者がたくさんついてきまして、いざ化粧品を出すとなると、すごく自然にオンラインストアに誘導できたんですよね。
村山 すばらしいですね。ブログでの売りかたのお手本のような。
中村 今日はこれから越境ECのお話になると思いますが、オンラインストアのみの販売で、手にとることができない化粧品の良さを、どう伝えていくかになりますよね。よくわからないものを、顔に塗ることはできませんから。ですから日々、開発者である山本自身が、切々と思いをブログに書いていったということになります。
村山 最初からECに本気だったということですね。別のチャネルがあって、じゃあECでもやろうかではなく、メインの舞台としてECだと考えていらしたわけですね。現在の比率はどれくらいですか?
中村 百貨店さんやセレクトショップさんなどの卸先もありますが、9割以上はオンラインでの売上です。