たくさんのスナップ写真や送料無料が好き
日本の若者を徹底分析した対策
ここから、ミアマスビンのカンCEOとの一問一答をお届けします。
――特に日本市場で成果を上げている理由について教えてください。
日本の若年層を中心に、Kポップやアイドルが人気を集めていますが、彼らが身につけているアイテムなど、日本国内で購入するのが難しいものもあります。そうした韓国ファッションならではの斬新なアイテムへのニーズが高まっているようです。
また、日本の一般的な商品の半額ほどの手頃な商品もあるので、価格メリットも影響していると思います。
さらに、数枚の商品写真だけを掲載する日本のアパレル通販に比べ、ファッション誌のように、取り扱う全品の詳細ページに多数のスナップ写真を掲載する、韓国アパレル通販独特のスタイルも、若い女性に好まれるようです。
――大手ECモール出店より、自社サイトを通じた販売に取り組む理由は?
韓国と同様に日本のユーザーも、ECモールと自社ECサイトを使い分けて利用する傾向が強いと分析しています。
自社ECサイトを好んで利用するユーザーの場合、スタイリングやコーディネート、ファッショントレンドへの関心が高いという特徴があります。そういったユーザーを対象に、SNSなどのコミュニケーションに力を入れれば、流入に効果があるだけでなく、ブランディングにも寄与します。
当社では今後も、モールよりは自社ECサイトの運営に集中し、顧客との接点を増やすことでリピーター獲得に取り組んでまいります。
――販促施策についてお聞かせください。
「韓国ファッション」など、韓国関連キーワードを利用したYahoo!プロモーション広告を活用したり、自社ECサイト上で送料無料イベントなどを行っています。韓国では割引イベントが好まれますが、日本では送料無料を好む傾向が強いと判断したからです。
また、お正月の「福袋イベント」など日本独特のイベントを企画したり、顧客が気軽に参加できる「あみだくじイベント」などを行い、自社ECサイトへのアクセスアップを図っています。
まとめ
韓国のアパレル専門通販「ミアマスビン」は、日本向け越境ECに参入する前に、長年にわたる市場調査や顧客分析、顧客向け販促施策を通じて、実店舗を持たず日本市場で成長を遂げてきました。また、日本市場に向けて積極的な取り組みの一環として、物流センター設立や実店舗開店も検討していることから、さらなる成長が期待される企業とも言えます。