暮らしがテーマのライフスタイルメディア&モール「キナリノ」
立ち上げた渡部さんにインタビュー
――まずは、渡部さんのご経歴からおきかせください。
東京工業大学の大学院を出て新卒でNTT東日本に入り、4年半勤めたあとでカカクコムに入りました。2年ほど食べログにかかわったあと、一度退職し、起業したのですが全然うまくいかなくて。失敗したままでは終われないと、カカクコムの新規事業準備室に戻らせてもらってキナリノを立ち上げました。今はキナリノのほかに、スマイティ、イコット、レシぽん、求人ボックスの全5サービスを見ています。
――キナリノ立ち上げのきっかけや経緯を教えてください。
キナリノは2014年6月にスタートしました。当時、雑誌全体の売上が落ちているなかで、『リンネル』や『& Premium』などの雑誌は伸びていました。こうしたテイストは、言わばライフスタイルの「究極系」だと考えています。たとえばリンネルのようなナチュラル系ファッションは、一度ハマると抜け出せない。ハイヒールを履いていた人が1度ペタンコ靴を履くと、楽すぎて元には戻れないんです。そういう究極の形が、今後もっと世の中に浸透していくだろうという思いがありました。
また雑誌の場合、細かくセグメントされていてジャンルをまたぐことはほとんどありませんが、実際には『リンネル』が好きな人は『hanako』や『ことりっぷ』『カーサ ブルータス』なども好むと考えられます。そこで、ジャンルをまたいでライフスタイル全般を扱うサービスがあれば支持されるのではないかと考えました。もともと僕自身が、北欧雑貨や北欧インテリア、作家さんの雑貨などが好きだったというのもあります。
――新規事業として、会社に対してどういう形でご提案されたんですか?
価格.comをやっている会社なので、わりと真逆のテイストだと思いましたし、社内で話をしてみても「え?」という感じだったので(笑)、まずはWordPressで簡単な検証用サイトを作りました。Facebookで投稿してみると、ユーザーの反応がとても良かったので、そのデータを出して提案しました。
――集客はソーシャルメディアが中心ですか? 他のメディアと提携などもされているのでしょうか?
最初はソーシャルメディアからですが、現在は約7割が検索流入です。ウェブマーケティングは弊社の強みでもあるので。他メディアとの提携は、スマートニュースさんやグノシーさんに一部取り上げていただくこともありますが、基本的にはしていません。ソーシャルメディアについては、立ち上げ当初はFacebookが主流でしたが、今は圧倒的にInstagramが多いです。初動をうまくとらえるのは集客にとって重要だと思っているので、トレンドはいち早く取り入れるようにしています。