競争激化するEC業界、人材育成が急務
人事異動、配置転換、新人受け入れなどが多い時期かと思います。今回は、これからのEC業界で必要とされる人材と育成ポイントについて触れたいと思います。
日本の小売市場がここ20年ほぼ横ばいの中で、ECは毎年10%前後成長している市場です。一方で、2016年頃からの競争激化により、モールを中心にECビジネスを展開している企業のうち、昨対売上を割るところが40%程度(いつも.調査)となっています。成長市場でありながら、すべての企業が成長できるわけではないというのが、現在のECの状況です。
「ほぼすべての企業が成長できる」から「成長は続くが競争激化も進む」という変革期にあるEC業界において、自社のEC事業を拡大できるプロの人材育成が急務だと言えます。ECのプロフェッショナルに求められる能力例は、以下のとおりです。
ECのプロフェッショナルに求められる能力例
- 多チャネル時代の販売戦略を策定できる
- 競合企業を踏まえた対抗策を実行できる
- ECに関連する業務全体の流れを理解している
- 自社ECサイトと実店舗の集客連携の施策が打てる
- 楽天、Amazon、ヤフーの売上手法を熟知している
- 中国・台湾・アジア・米国のECの知識がある
- 人材育成の仕組み作りができる
とくに重要なのは、「多チャネル販売に対応できる人材」です。自社サイトと楽天市場だけでなく、Amazonマーケットプレイス、Yahoo!ショッピング、最近では丸井も出店を決めた「Wowma!」などの活用も必須となっています。今後各モールは、ポイント連携等でモールの新規顧客獲得を進めていくでしょう。その際、それぞれのモールに適した手法を知る人材が求められるのです。
また、「EC業務全体の流れを理解できる」人材も重要です。集客経路からサイトの滞在状況、購入に至るまでのプロセス、注文が入ってから物流センターを出荷されるまでの流れ、新規購入者がリピート購入してくれるまでの仕掛けまで理解しておかないと、事業拡大や業務改善のツボがわかりません。自分なりに、情報・お金・モノの流れを業務フローやチャート図などを作成して理解しておきたいところです。