十勝の逸品を集め、統一のパッケージデザインで地域ブランド化
東京都の約5倍という広大な面積をもち、食料自給率1100%を誇る北海道・十勝地方。そんな十勝のおいしい逸品を集めたセレクトブランドが、今回紹介する「とかちデザインファームプロジェクト」だ。
ネットショップに並ぶのは、十勝産小麦のパンケーキをはじめ、十勝産素材を使ったジャム、はちみつ、うどん、そばなど。十勝の酪農家、農家、加工業者といった第一次産業に携わるさまざまな作り手による製品が集められている。
ブランドのコンセプトは、「『おいしい』を『美しく』発信する」。企画・運営を行う株式会社ファームステッド(北海道帯広市)の小野寺さんは、立ち上げの経緯をこう語る。
「地元の十勝には、農家の方が作られるとても高品質な加工品や地域の特産品があるのに、一品ずつだとプロモーションも難しく、加えて大量生産ができない、安定供給が難しいなど、既存の流通には乗りにくい弱点もあり、あまり知られていないという状況がありました。それらを、デザインを統一した地域ブランドとして、『集合体』の魅力で発信できないかと考えたのがきっかけです」
近年、農家などの一次産業が、農産物の生産だけでなく、食品加工(二次産業)や流通・販売・サービス(三次産業)まで多角的に展開する「六次産業化」が広がっている。生産者が作る商品は、品質のよさや、作り手の顔が見える安心感から人気を集めているが、農家や小さな工房単位で行うことには限界もある。
とかちデザインファームプロジェクトは、こうした商品に統一パッケージをほどこすことで、発信力やブランド力を高め、より多くの人に届けることを目指した取り組みなのだ。
商品はネットショップのほか、地元の百貨店や産直市場、道内の空港や雑貨店などでも販売されている。