ショッピング広告は商品詳細ページの説得力がキモ!
―まずはショッピング広告のおさらいをしたいと思います。広告の役割として、ショッピング広告と従来のリスティング広告ではどのあたりが違いますか?
田中(アナグラム) リスティング広告の場合、運用する人が、「どのキーワードで」「どんな広告文で」「どのページを表示するか」をすべて考え、広告を作らなくてはいけませんが、ショッピング広告の場合は、商品の情報そのものが広告になります。すでにあるECサイトの商品の画像や掲載ページのURLをそのまま使えるというのが、いちばん大きな違いです。
岡田(アタラ) ですから、ショッピング広告を活用して売上を上げようと思ったら、商品詳細ページを充実させることが近道です。広告からたどり着いたページの商品画像や商品スペックなどが充実していて、「なるほど」と思って買ってもらえるかどうかがポイントになります。
―リスティング広告ではいわゆる縦長LPが重要でしたが、ショッピング広告は商品詳細ページが重要になるんですね。
岡田 たとえば「パソコン おすすめ」で検索する人には、詳細なLPで説得する必要がありますが、メーカー、シリーズ、バージョンなどがすでに決まっていて、比較検討の段階に入っている人には、「パソコンってこんなに素晴らしいんだ」と説得するのではなく、その商品について詳しいスペックが書かれたページを案内してあげたほうがいいでしょう。
―それだけ明確に条件を指定して、検索するユーザーが増えているのでしょうか。
岡田 ひとつにはスマートフォンの普及があると思います。家電量販店で欲しい商品を見つけたら、その場で品番を検索し、価格を比較したりしますよね。たとえばヨドバシカメラさんは、それを見越してオンラインで買ってもらうことにシフトして伸びている。品番クエリも増えているはずです。ショッピング広告の登場は、時代と需要に合ったソリューションが出てきたということだと思います。
田中 仕入れ商品を売る商売が厳しくなってくることも意味しています。検索結果に同じ商品が並べば、どうしても価格で勝負されますから。それはEC内だけの勝負ではなく、スマートフォンで見たらディスカウントストアでも同じものを売っているから、通販で買わなくてもいいや、といったことも起きてくるでしょう。
岡田 比較する条件が価格だけになると、安いお店には勝てませんからね。そうではない商品を扱うサイトであれば、ショッピング広告からたどり着いた先の商品詳細ページで「ここで買おう」と思ってもらえるかどうかが勝負です。商売の基本に戻ると言えるかもしれません。