顧客中心主義が、ウェブサイトの末端まで実現されているか
小畑(UNCOVER TRUTH) 増渕さんがおっしゃったように、モノではなくストーリーを売る時代になっている。そのストーリーを持っているのは、結局のところ、最終消費者です。ECであれば、その商品に共感を抱いて買っていかれるんですよね。
富士フイルム様の「フォトブック」の事例で言えば、「銀塩写真です」では共感を呼べなかったけれど、「おじいちゃん、おばあちゃんが、孫のかわいい写真をずっと持っていられる」と思わせるストーリーが重要だった。それをECサイトでいかに伝えられるかが重要になってくるわけです。
モノを買う理由が大きく変わってきていて、以前は記念日のような特別の日しかできなかった「思い出を買う」という行動が、今は、普段の消費行動のなかにもどんどん入ってきている。それを後押しするのが、ウェブサイトの役割だと思うんです。
気づきを与える、共感度を高める。同じ商品であっても、それに付随するストーリーはどんどん変えていけると思います。その際に、僕らは芸術家ではないので、サイト上のユーザーの動きを「USERDIVE」で検証して、企業とユーザーの絆を強くするようなウェブサイトに改善していくという手法をとります。
カスタマーセントリック(顧客中心主義)は、いまどき当たり前の話ですが、実際のところ、経営層からウェブサイトのUX設計まではすごく距離がありますよね。つまり、経営者が「顧客中心」と叫んでいても、最終的なアウトプットのウェブサイトが顧客中心主義になっているかまでは、わからない。
でも、そこはユーザーとの最終的な接点なので、会社の思い・商品に込めた魂といったものと、ウェブサイトとの間に、ギャップが生まれているなら埋めていかないといけない。僕らはそういう視点で、ツールとコンサルティングサービスを提供しています。
増渕(日本マイクロソフト) 僕の解釈を少し入れさせてもらうと、カスタマーセントリックが重要になってきた背景には、あらゆるところに類似品が売っていて、需要過多になり、宣伝してもお客様に届かないようになってきていると考えています。そのため、企業は、本当にユーザーに響く活動はどれなのか見極めたり、リアルイベントでユーザーのニーズを探りに行ったりといったことに、より時間を費やさなければならなくなってきました。
そうした状況のなかで、「USERDIVE」や「Microsoft Azure」を使っていただくことは、これまでサーバの調達や、ログデータを自分で必死に分析していた作業を極小化して、先ほどあげたような、クリエイティブな行動に時間を使えるようにするための第一歩だと思っていただいていいと思います。
加えて、マイクロソフトとしては、CIOをもう一度ヒーローにしたい。新規事業の7〜8割はインターネットが絡む今、彼らがデジタルマーケティング活動に必要になってきているのですが、部門が違う、モチベーションが違うといった事情から、なかなか噛み合わないのが現状です。そんなCIOの背中を押すのが、これまで基幹システム等で支援してきた、マイクロソフトのミッションだと考えているんです。
USERDIVEについて
USERDIVEは、マウスの動きを可視化してユーザーが注目している箇所を容易に特定する「マウスヒートマップ」、入力フォームのページ上でユーザーが離脱してしまう要因を解明する「導線分析」など、ユーザーに適したサイト改善を実現する機能を提供。
短サイクルのPDCA実行を可能にすることでWEBマーケティングの効果最大化を狙うとともに、エンドユーザーである一般消費者へ向けては、利便性の高いサイトを享受できる心地よい体験機会を提供することを目指している。
USERDIVEの分析イメージ
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