パルス消費・バタフライサーキットに次ぐ新たな生活者行動の兆しを発表
これまでに、「パルス消費」「バタフライサーキット」といった新たな情報探索、購買行動の概念を提供してきたGoogle。今回のメディアラウンドテーブルでは、こういった生活者リサーチを絶えず行うコンシューマーマーケットインサイトチームのシニアリサーチマネージャー 朴ヨンテ氏から、新たな情報探索行動の変化の兆しについて紹介がなされた。
最初に触れられたのは、近年加速度的に進化した生成AI技術による生活者の変化だ。朴氏は「3人に2人の生活者が、『オンライン上で魅力的な商品と出会う機会が増えた』と回答している」とGoogleの調査結果を紹介。確かに、体験設計をする側・生活者どちらの視点から見ても、この5年ほどでeコマースやSNSのさらなる普及によってタッチポイントは爆増している。出会いから購買までの流れがシームレスになりつつある点を踏まえても、実感値とこの結果にズレはない人がほとんどだろう。
一方、新たな商品との出会いや購入の機会が増えれば、失敗や買い替えによって商品を手放す機会も増加する。朴氏いわく、既に3人に1人の生活者が「返品できること・売却できることを意識して買うことがある」と述べており、調査対象者の中にはリユース売却時の査定金額や価格推移を考慮して購入商品を選ぶケースも見られたそうだ。
AIの台頭で変化する情報との接し方 改めて見つめ直したい3つの“S”
従来は自分の足で店舗に出向かなければ出会えなかった世界中の商品の中から、自分が最も納得できる商品を選べる現代。発見と選択の多さは、喜びと同時に迷いや不安をもたらし、意思決定のプロセスをより複雑で流動的なものへと変えている。
そんな中、買い物に確信をもって踏み出せる情報を収集して選び取るために、生活者はどのような行動を起こしているのか。朴氏は、3つの要素に整理して説明を進めた。
Shoppingにつながっている3つの代表的な情報行動
- Searching
- Streaming
- Scrolling
「これらの行動は、キーワードだけを見ると特段新しいものではありません。インターネットが普及して以降、私たちにとって常に身近な行動だったといえるでしょう。
しかし、今改めてこれらに注目したのは『AI技術の進化により、その中身が大きく変化しているのではないか?』という疑問があったからです。この仮説検証の結果を、これからご紹介します」
