SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

EC化率上昇の鍵を握るBtoB-ECの変革に迫る(AD)

ダンロップスポーツマーケティングに聞くBtoB-EC化のリアル 社内・取引先を動かした仕掛けとは

 BtoB領域にEC化の波が押し寄せている。ミス防止や取引先の利便性向上の観点から、受注業務のデジタル化に取り組む企業が増えてきた。とはいえ、営業部門とうまく連携できず「立ち上げたBtoB-ECサイトが利用されない」と悩む担当者も多いのではないだろうか。そんな中、2021年にDXの一環としてBtoB向けの受発注システム(以下、BtoB-ECサイト) をオープンし、業務効率化と取引先の利用率向上の両立に成功しているのが株式会社ダンロップスポーツマーケティングだ。BtoB-ECサイトの運営を手掛ける小磯里美氏と吉村恵美氏、それを支援する株式会社インターファクトリーの湯浅啓人氏に、BtoB-EC化の舞台裏と今後の展望を聞いた。

約2年でFAX受信が半減 現場の課題をどう克服したのか

湯浅(インターファクトリー) ダンロップスポーツマーケティング様は、ゴルフクラブやテニスラケットなどを中心に、スポーツ用品を販売されています。近年は、小売店へ商品を卸売りするBtoB事業でのEC活用に力を入れていらっしゃいますが、何がきっかけだったのでしょうか。

小磯(ダンロップスポーツマーケティング) 以前は、BtoB事業の受注業務は、主にFAXや電話で対応していたのですが、2021年にECプラットフォーム「EBISUMART」を採用し、取引先様に向けたクローズドなBtoB-ECサイトを立ち上げました。当時、競合他社もBtoB-EC事業を強化する動きがあり、当社内でも受注業務のDX化の気運が高まっていたのです。

株式会社ダンロップスポーツマーケティング デジタル推進部 課長 小磯里美氏
株式会社ダンロップスポーツマーケティング デジタル推進部 課長 小磯里美氏

吉村(ダンロップスポーツマーケティング) BtoB-ECサイトを立ち上げるまでは、当社だけではなく、取引先様もご発注業務において課題を抱えていました。たとえば、スポーツ用品の正式名称がわからないなど、スタッフの方が発注に不慣れな場合もあります。その都度カタログから調べてFAXや電話で注文するのは、非常に手間がかかる作業です。BtoB-ECサイトでは、その場で商品を検索し、画像とともに確認した上で注文できます。直感的に項目を選択できるため、取引先様がよりスムーズに発注できるようになりました。

小磯(ダンロップスポーツマーケティング) FAXや電話での受注業務は、取引先様と当社間での正確な情報伝達が重要です。そのため、担当者には特に慎重さと正確さが問われます。それが現在は、BtoB-ECサイトの開設により、当社も取引先様も同じ画面で注文内容や配送情報の確認が可能となりました。その結果、業務環境の改善につながっています。

吉村(ダンロップスポーツマーケティング) 加えて、業務効率化の面でも、当社と取引先様の双方に良い影響がありました。当社では多種多様な商品を取り扱っており、見積もりを作成するのも一苦労です。BtoB-ECサイトなら、数多くの商品の中から該当のものを容易に検索できます。そのおかげで、見積りの作成時間を大幅に削減できました。BtoB-ECサイトの利用を促進した結果、開設時の2021年と比較して、2024年時点のFAX受信枚数は47%減少しています。

 いつでも商品を閲覧して注文できる点もメリットの一つですね。取引先様の中には、遅い時間まで営業している店舗も少なくありません。BtoB-ECサイトを開設したことで、当社の業務時間外も発注が可能となり、取引先様の多様な状況に対応できる体制が整いました。

 もちろん、今までのやり方を変えるのは容易ではありません。取引先様には、営業担当者の協力のもと、各店舗での説明を行いました。そのおかげで、得意先様にも理解を示していただけました。

湯浅(インターファクトリー) 当社にも、BtoB-ECに関する問い合わせが増えています。以前は問い合わせのうち30%程度でしたが、この3年で約50%にまで急増しました。需要の高まりを日々感じています。

 しかし、BtoB-ECサイトは、立ち上げたものの営業部や取引先様に利用されず、放置されるケースも珍しくありません。ダンロップスポーツマーケティング様も、成果につながった今でこそBtoB-EC運営がスムーズに行えているように見えますが、立ち上げから社内への浸透までに紆余曲折がありましたよね。

小磯(ダンロップスポーツマーケティング) BtoB事業でのEC活用を推進する上で、いかに社内の協力が重要か考えさせられましたね。各部署内での理解促進は、最初にぶつかる壁だと思います。特に営業部には、メリットを理解してもらえるように丁寧なコミュニケーションを心掛けていました。結果的に、営業部の理解が深まった上で取引先様へ説明ができ、サービス開始当初からの積極的な利用につながったと思います。

感じた営業部の困惑 現場の連携がEC化を後押し

湯浅(インターファクトリー) 私も、BtoB企業のEC化を支援する中で、営業部との連携の重要性を実感する場面が多いです。営業担当者からすると、今まで自分が行ってきた業務が奪われ、評価にも影響するのではないかと不安に感じるからでしょう。

 実際に、ダンロップスポーツマーケティング様の支援にあたって印象的だったエピソードがあります。BtoB-ECサイトの立ち上げ時に、全国の営業部の役職者に向けた説明会を行ったときのことです。リアル開催でしたが、皆さんが困惑していた様子が記憶に残っています。

吉村(ダンロップスポーツマーケティング) 説明会だけでは不十分だと感じ、社内で個別の勉強会を何度も開催して、メリットを伝えていきました。中には、早い段階で理解を示してくれた営業メンバーもおり、ありがたかったです。彼らが、所属するチームの他メンバーにさらに丁寧な説明をするなど、BtoB-EC利用の促進に積極的に関わってくれました。

株式会社ダンロップスポーツマーケティング デジタル推進部 吉村恵美氏
株式会社ダンロップスポーツマーケティング デジタル推進部 吉村恵美氏

取引先の利用率が2倍に急増 複雑な商習慣に対応できた理由とは

湯浅(インターファクトリー) BtoCとBtoBの大きな違いは、小磯氏が挙げたような取引の複雑さにあります。そのため、EBISUMARTはクラウド型でありながら、各社の特徴に合わせた開発が行える仕組みです。ダンロップスポーツマーケティング様の場合は、特にゴルフクラブのカスタム機能が特徴的だといえます。

株式会社インターファクトリー BtoB事業部長 湯浅啓人氏
株式会社インターファクトリー BtoB事業部長 湯浅啓人氏

小磯(ダンロップスポーツマーケティング) 取引先様から、ゴルフクラブのヘッドやシャフトの変更、グリップの長さの調整をリクエストされるケースが非常に多いです。ここまで細かな注文を、FAXや電話でミスなく受けるのは容易ではありません。また、取引先様にとっても利便性が高いとはいえないでしょう。

 そこで、2024年にBtoB-ECサイト上でカスタム注文ができる機能を追加しました。結果的に、取引先様のBtoB-ECサイト利用率が2倍に増えています。

湯浅(インターファクトリー) BtoB-ECと一言でいっても、企業によって必要な仕組みは異なります。そうした状況も考慮し、EBISUMARTではデフォルトの機能+αに対応できる体制を整えています。BtoB-ECサイトの立ち上げにあたっても、ダンロップスポーツマーケティング様、当社内のエンジニアの両方と密にコミュニケーションを取り、必要な機能と開発作業を取捨選択していきました。

小磯(ダンロップスポーツマーケティング) カスタム機能の実現には、基幹システムに加えて、そのほか複数の関連システムとの連携が必要でした。また、ゴルフクラブは新しいモデルが次々と登場するため、そのサイクルに合わせて情報をアップデートし続けなければなりません。こうした複雑な仕組みを構築するために、インターファクトリー様とは何度も認識のすり合わせを行いました。当社の希望を汲み取りながら進行いただき感謝しています。

大規模取引・受注残管理…… BtoB-ECの“やりにくさ”を解消するには

湯浅(インターファクトリー) ダンロップスポーツマーケティング様はEBISUMARTでBtoB-ECサイトを構築されましたが、当社では2024年よりBtoB-ECに特化した「EBISUMART BtoB」の提供も開始しました。BtoCでしか利用しない機能をなくした分、複雑な商習慣への対応といったBtoBならではの仕組みを搭載しています。

 BtoB企業から寄せられる相談で特に多いのは、大量受注への対応です。在庫以上の発注がきた場合、一度に納品できないケースもあるのではないでしょうか。

 そのため、EBISUMART BtoBでは、取引先様がCSVファイルのアップロードやフォーム入力で商品をまとめてカートに入れられる「商品一括投入機能」、注文時に不足していた在庫分を企業側が受注残として管理できる「受注残管理機能」などを用意しています。また、EBISUMARTと同様に、企業のリクエストに応じてカスタマイズが可能です。

 今後は、EBISUMART BtoBに限らずカスタマーサービスなどEC周辺の機能も拡充し、BtoB-EC運営を包括的に支援できる体制を整えます。もちろん、ダンロップスポーツマーケティング様のBtoB事業の成長も、さらに後押ししていきたいですね。

吉村(ダンロップスポーツマーケティング) 当社の場合、BtoB-ECサイトを利用する取引先様から「こんな機能はありませんか?」と、相談されることが珍しくありません。こうした依頼のすべてに対応できるように、BtoB-ECサイトをアップデートしていきたいです。

湯浅(インターファクトリー) BtoB事業のEC化では、売上向上も重要ですが、社内外の利便性向上や業務効率化も同じくらい大切です。私自身、長年営業に携わってきましたが、注文を受けてその内容を社内システムに入力するなどの事務作業に手を取られ、本来の業務に工数が割けない場面が多くありました。

 今や、ほとんどの人がオンラインで情報収集を行う時代です。カスタム対応や見積もり処理といった複雑なBtoB取引のEC化が進めば、将来的には顧客ごとの発注窓口として自社ポータルサイトの運営が当たり前になっていくと予想できます。その未来に向けて、まずは現在の受注業務の中でどこにデジタル化の余地があるか、洗い出しから始めてみてください。

BtoB向け受注システム構築・導入をご検討中の方におすすめ!

「EBISUMART BtoB」は、属人化・オフライン処理がメインの業務をシステム化することで、企業のDX推進・業務効率化を実現するECシステムです。既存取引に応じた独自開発も可能なため、長年の商取引を踏襲した環境を提供し、取引先も利用しやすい企業間取引を可能とします。BtoB向け受注システム構築・導入をご検討中の方は、EBISUMART BtoB公式サイトよりお気軽にご相談ください!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note

提供:株式会社インターファクトリー

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/16611 2025/05/29 11:00

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2025年6月12日(木)10:00~17:25

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング