アクセス解析で、いくら儲かるの?に答える3つの考えかた
連載第1回では、費用対効果を考えることの重要性について説明しました。
ECサイトでは、売上が増えるとともにバックヤードの作業も増えることを考えておかないと、受注漏れや配送遅れなどのお客様対応がおろそかになってクレームの嵐になることもあります。
アクセス解析をして売上を伸ばすことを考えることも大切ですが、全体のバランスを見ておかないといけません。
ECサイトって、決済手数料の0.5%とか数十円~数百円の配送料をシビアに交渉したりしていますので、アクセス解析というわけのわからないものにドカーンとお金をかけて、結局よく分かりませんでした、というわけにはいきませんよね。みんなで必死に努力して、貯めた貯金をドブに捨てるようなものですから。
アクセス解析の費用についての考えかたは、大きく分けて3つあります。
1.ECサイトの調査費用だと思う
健康診断か人間ドックみたいなものと考えてもらえればいいですね。健康だと思っていたのに実は……ということもありますし、どう考えてもダメだろと思っていても問題ない時もあります。
今が良いのか悪いのか? 伸びているのか落ちているのかなどを詳しくを知るためには、Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールで現状把握をしないといけません。
とはいっても、その前に売上が増えているのかどうかは分かっているので、とりあえず調査ということはないはずです。Google アナリティクスが無料といっても、使いこなすには時間(=コスト)がかかりますからね。
伸び悩んでいる原因は何か?もっと伸ばすにはどうするか?といった明確な目的があってこそ調査は活きてきます。調査なのでかけられる費用は、少なければ少ないほど良いとなります。
2.広告の効果測定だと思う
広告費に毎月200万円かけていて、効果を維持したまま10%削減して、その費用を他に回したい。といった時などに使います。広告の管理ツールではその媒体のことしかわかりませんので、全体の数字を見て判断するにはアクセス解析ツールを入れるしかありません。
広告費は継続的にかかる費用なので、削減額が5~10%であったとしても年間ではかなり大きな効果となります。そのため、アクセス解析にかけることができる費用も、1.の調査よりは多くなります。
3.コンバージョン率を上げるための費用だと思う
デザインや使い勝手、カートなどを改善して、コンバージョン率を上げるためのヒントを探すために使います。この場合は、記事にも書いたように改善の費用も掛かってきますので、費用をどこまで圧縮できるかがポイントになります。
コンバージョン率が改善されれば、ある程度の期間は継続しますので、要所要所で費用をかけてください。ケチりすぎてスピードが遅くなるのは最悪です。
このように、いきなりGoogle アナリティクスを導入して数字を見るのではなくて、自社が3つのうちのどれにあたるのかを判断してからアクセス解析に取り組んでください。