見落としがちなSNS→メルマガへの誘導 効果的な使い分け方とは
メール配信システム「Cuenote FC」やショートメッセージ配信サービス「Cuenote SMS」などを提供するユミルリンク。同社のサービスを通じたメルマガの月間配信数は、2025年2月時点で81億通にのぼる。業種や事業規模を問わず、多様な企業・組織の顧客コミュニケーションを支援してきた。
同社が得意領域とするメルマガ配信とともに、コミュニケーションツールの一つとして広く活用されているのがSNSだ。五月女氏はセッション冒頭で「メルマガとSNSは使い分けが重要」と話し、チャネル別の役割をマーケティングファネルを用いて紹介した。

「『認知』『比較・検討』フェーズでは、InstagramをはじめとするSNSを通じた情報発信が有効です。一方、メルマガは特に『継続』フェーズで効果を発揮します。そして、その先の『紹介・拡散』フェーズで、再びSNSが重要な役割を果たします。今度はお客様がSNSを活用して商品の情報を広めてくれるからです。つまり、メルマガとSNSの特徴を理解し、組み合わせてマーケティングに活用する必要があります」(五月女氏)

加えてポイントとなるのが、「どのチャネルで何を発信するか」だ。企業・ブランド、店舗などのメルマガ登録や、SNSアカウントをフォローしている20歳以上の男女約1,300名に対してユミルリンクが実施した調査によると、顧客が情報の収集元を使い分けている様子がうかがえた。
「特に注目すべきなのが、メルマガの登録理由です。クーポンやお得情報などを受け取りたいと考えるお客様が多いとわかりました。メルマガの登録には、メールアドレスなど個人情報を入力しなければなりません。それに見合ったメリットを感じられなければ、お客様は登録に至らないのです」(五月女氏)

次にSNSアカウントのフォロー理由では、回答にばらつきが見られた。五月女氏は「Instagram、X、LINEなどSNSの種類によって求められる情報が異なるからではないか」と分析。また、企業のSNS運用支援に携わってきた坂本氏は次のように注意点を補足した。
「そもそもオーガニック投稿は、ブランドに興味・関心をもっているお客様がSNSアカウントをフォローした上で閲覧します。まずはフォローの前段階にいるお客様に広告などでアプローチしなければなりません。さらに、SNSを通じて“入口商品”に誘導するのが肝心です。意外にも、このカスタマージャーニーの流れを見落としている企業は多く存在します。改めて自社の入口商品とは何か、どのような流れでお客様が情報にたどり着いているのか、既存の仕組みを見直してみてください」(坂本氏)