SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

押さえておきたい!ECトレンド図鑑

ECで4,000万円の船を売る? モテるオヤジのバイブル『LEON』流コンテンツを生かした新ビジネス

雑誌を作るだけじゃない“編集者2.0” 新たなマネタイズの可能性を探る

──新規事業とはいえ、雑誌編集とEC運営では業務が大きく異なります。同じLEONのチャネルとしてどのように連携をしているのでしょうか。実際の運営体制を教えてください。

渡辺 現在、私と玉田を含めて計4人で対応しています。私のほかに編集と兼任の担当者が一人いるため、雑誌コンテンツと連携しやすい環境です。買えるLEONに掲載するキャッチコピーなどの文言は編集者が考えています。

玉田 私はEC専任として、各方面と細かくミーティングを行い、アイデアをまとめる役割を担っています。時間はかかりますが、その分進む方向性の共通認識を持てる点はメリットですね。

渡辺 あくまでも、編集者が仕掛けを作ることを念頭に置いています。LEONが究極のマーケティング雑誌ならば、編集者はマーケターだからです。

 この考え方の背景には、LEON編集部が2021年から展開している「ONE LEON」プロジェクトがあります。トレンドを先取りした仕入れや企画作り、それらを生かしたプロモーション活動など、コンテンツの枠をこえて様々な体験や価値を届ける取り組みです。どこを切り取ってもLEONにできる。石井(洋)編集長が目指しているのは、雑誌編集だけでなくマネタイズのプロでもある“編集者バージョン2.0”です。

──「ONE LEON」プロジェクトの一環としてEC運営を行う中で、編集業務との違いや発見はありましたか。

渡辺 雑誌の場合は、何が良かったから売上が上がったのかが、はっきりと読み取れません。人気な芸能人が表紙を飾ったからか、新しい企画がおもしろかったからか、様々な可能性が考えられます。

 一方で、EC運営を含めたデジタルの世界は、施策の良し悪しがデータでわかります。手を動かせば動かすほど数字がついてくる点は、既存事業とは異なる魅力です。

玉田 たとえば、LEONは2024年12月号より、各ページに買えるLEONの商品ページに遷移できる二次元コードを付与していますが、これによってどの程度の読者が流入したのか可視化できます。LEONにとって、今までにない取り組みです。

渡辺 実は、この仕組みを実現したいと社内で訴え続けてきました。しかし、タイアップ記事や広告でも二次元コードを掲載した前例がなく、なかなか受け入れられませんでした。説得には2年半ほどかかりましたね。

 古い慣習を破れないのは、出版業界の弱点でしょう。業界全体の売上が下降傾向にある中で、編集者として何ができるか考えてチャレンジしなければなりません。

 特にデジタルのトレンドの変化は激しいため、決断のスピードが求められます。こうした時代には、一つの企画や施策の完成度を90%まで高めるよりも、30%~40%のものを複数準備しておくことが重要だと思います。実現する手段も流動的で良いはずです。

──編集者の可能性を信じて新しい事業に挑戦し続けていますが、最後に買えるLEON、そして二人の目標を教えてください。

渡辺 2025年度は、今年度よりもEC売上をさらに数億円増やしていきたいです。そのためにも、特に高額な商品として、ボートを2艇売るのが目標です。また、個人的にはEC事業や小売の仕組みを理解するために、MD(マーチャンダイジング)について勉強したいですね。

玉田 大きな目標もありますが、まずは足元を固めるために何を打ち出しているのかがわかりやすい買えるLEONを完成させます。

──ありがとうございました!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
押さえておきたい!ECトレンド図鑑連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/15851 2025/01/10 07:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2025年2月4日(火)13:00~18:45

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング