P-MAXの入札パフォーマンスを左右する5種類のタグとは
フィードは掲載機会を最大化するために必要な要素だが、入札パフォーマンスを安定させる上で必要なのが、「Googleが推奨するタグの設定」だ。タグは、ユーザーの行動情報を取得する役割を担っており、この情報を基にアプローチ方法が決められている。
「コンバージョンタグと『Googleタグ』と呼ばれるリターゲティングタグは基本として設定している方が多いかと思いますが、P-MAXではこれに加えて、5種類の推奨タグが存在します。設置すべき箇所にこれらをすべて設定すれば、適切な入札が行われるようになり、獲得できそうなユーザーにP-MAXを使って熱心なアプローチを実現できます」
P-MAXで実現できる目的別アプローチ
「なかなか一般的には出回ることのない情報」と前置きをして神林氏が話し始めたのは、応用編となる入札における施策改善についてだ。P-MAXは自動入札機能を用いるのが一般的となっており、あらかじめ設定した目標値に合わせた運用のクオリティーは非常に高いものだといえる。
「売値が1万円、目標ROASを1,000%と設定した商品が2種類あったとします。この場合、P-MAXはどちらも1,000%に近い水準でコスト配分をしてくれるのですが、粗利率や新規率などフィードに反映できないデータと照らし合わせると、事業者目線では『強化したい商品が強化されていない』といったことがないでしょうか。
たとえば、粗利率・新規率が30%の商品Aと10%の商品Bでは、同じROASでも得られる売上に差が出ます。基本的には粗利率や新規率が高い商品に投資をしたいところですが、P-MAXは現状こうした情報を読み取ってくれません。これらを加味した運用を実現するには、工夫が必要です」
入札面でできる工夫として、神林氏は「キャンペーン分割」と「自動入札への反映」を紹介。P-MAXは、学習データを集約するために一つのキャンペーンで運用するのが一般的だが、前者はROASで判断できない指標を加味した入札調整を行うために、あえて軸ごとにキャンペーンを分割する方法だ。
「ここで重要となるのが、『キャンペーンをどのような軸で分割するか』です。たとえば、プライベートブランドなど利益率が高い商品の売上を強化したい場合は、CPCの伸びしろを確認した上でキャンペーンを分割すると、配信拡大を実現しやすくなります。当社でも、分割前後で注力カテゴリの売上シェアが38%から46%にアップした事例が存在します」
また、トレンドに合わせた調整も同施策で実現できる。神林氏は、アパレル事例を例に挙げて紹介した。
「季節性が高い商材を扱う場合、リアルタイムの変化をどこまで広告に反映できるかが鍵となります。しかし、P-MAXは蓄積したデータを基に評価をする仕様であるため、夏物の需要が高まる5月頃の配信強化や、肌寒くなった際の配信抑制を自動で行うのは困難です」
そこで有効なのが、Googleアナリティクスのデータと連携して売上上位の商品を特定し、フィードでフラグを立てた上でキャンペーンを分割、入札調整を施す方法だ。これにより、通常キャンペーンと比べて売上2倍、20%のROAS上昇に成功した事例も存在するという。