生き残りをかけ、顕在層・潜在層双方にアプローチできるチャネルを作ろう
近年のリテールメディア興隆の背景には、Cookie規制やオンライン施策を強化するプレーヤーの増加、広告配信面増加によるブランドコントロールの難しさなど、デジタル広告における課題が存在する。城守氏自身も、顧客獲得に取り組むマーケターとしての視点から、既存チャネルだけで数字を伸ばす限界を感じることがあるという。
「従来、広告を打つ際には顕在層を意識し、P-MAXのショッピング広告やリスティング、リタゲ広告に力を入れてきました。広告では費用対効果が合わないことや相性の良さも加味し、認知拡大はSNSなどを使った戦略をとるなど、ファネルごとに複数のチャネルを使い分けています。
ただし、マーケティングチャネルの数が増え管理が複雑化し、広告費もこの数年上がり続ける一方で、マーケター視点でも『潜在層からでも一気にコンバージョンが獲得できる手法がないか』と考えていたところでした」(城守氏)
大野氏は、こうした今日のマーケターの課題に「購入の瞬間」をメディア化したRoktならうまく応えられると語る。
「顧客獲得効率を追求すると、どうしても顕在層向けの広告に投資が集中しがちです。顕在層向けの施策は飽和し尽くしていて、新たな広告チャネルで潜在層に近い顧客獲得ができないかという広告主様の悩みはよく聞きます。『Rokt Ads』は適切なモーメントにレレバントなオファーを届けることで、潜在層寄りの顧客を獲得できるため、インクリメンタルコンバージョン(その施策をやらなければ獲得できなかった純増分のコンバージョン)が多いのも特徴です」
一方、XPRICEの運営者(EC事業者)視点から見ても、原価の高騰や為替変動、物流2024年問題、人口減少によるマーケットの縮小など、小売事業だけで利益を出し続けるのが困難になりつつある市場環境に危機感を覚えていた城守氏。今回、Rokt Ecommerceを導入した背景には「リテールメディア事業に早期に着手し、収益の一つの柱を作らなければ生き残れない時代になるのではないか」という考えもあったそうだ。
「Roktとのコラボレーションは、実際に収益にもつながりましたし、間違いのない選択でした。XPRICEがこれまでの事業で育ててきたデータとモーメントが合致すると、広告主としては顕在層だけでなく潜在層にもインパクトを与えられる。この発見を得られたのは大きいです」(城守氏)
グローバルコンサルティングカンパニーのBain&Companyの調査によると、2021年から2030年の間に主要小売事業者の収益構造は大きく変わり、物販事業と付帯事業が50%ずつになると予測されている。
「ファーストパーティデータを収集できる小売事業者は、それを生かして付帯収入を獲得し、収益性を高めながら本業の競争力を強化する時代に突入しています。既に自社ECでデータ収集を進めている事業者は、有利な立ち位置にあるといえるでしょう」(大野氏)
独自のAI・機械学習技術を活用して、「購入の瞬間」というこれまでソリューション開発がなされていなかったタッチポイントに着目し、新たなものやサービスの流れ、マネタイズの機会を生むRoktの動きは、デジタルマーケティングの世界にも新しい風を吹き入れるはずだ。「Eコマースの可能性を解き放つ」というミッションが、日本の小売事業者の未来をどう切り拓き、市場価値向上に寄与するか。今後の展開からますます目が離せない。
Rokt活用でビジネスの可能性を広げる様々なブランド事例を紹介
導入事例ページでは、リテールメディア進出で自社プラットフォームの価値向上に成功したWILLER、チケットぴあ、Peachなどのインタビューを掲載しています。レレバントな体験提供の先にどんな成果が得られるのか、検討材料としてぜひご活用ください。