越境ECはもはやただの「ブーム」ではない
2008年頃から、何度かブームを迎えては課題にぶつかってきた越境ECも、山谷を乗り越えるうちに重要なインフラになってきました。特にグローバルで見た際に数字のインパクトは大きく、今後の予測を見ても非常に成長する領域だとされています。
経済産業省が2013年に発表した『平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査) 報告書(PDF)』では、2020年の市場予測がこのようになされていました。
「越境EC市場規模のポテンシャルは、最大2兆3,181億円」
ところが、2021年の数字を見ると実際には約7兆規模にまで成長しています。想定の約3倍となったのです。
これは、日本・米国・中国だけに限った話ではありません。経済産業省『令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』では、2019年の世界の越境EC市場規模について7,800億USドルと推計。その値は、2026年に4兆8,200億USドルにまで拡大すると予測されています。
また、Report Oceanが2022年に発行したレポートでは、2022年から2030年までの世界の越境EC市場は年平均成長率26.2%を記録すると考えられていることからも、今後より国をまたいだEC取引は進んでいくでしょう。
近年は、世界規模で小売分野のEC化が進んでいます。世界のBtoC-EC市場規模は2019年に3.35兆USドル、EC化率は13.6%となっていましたが、2024年にはそれぞれ6.39兆USドル、21.8%にまで上昇するといわれています。こうした動きからも、ECを前提とした商品販売の在り方が一層問われる時代になりつつあることがうかがえます。