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売上を上げたい 「いつ」「どうやって」広告を出す?
全6回の当連載では、これまで「メーカーECの楽天市場の攻略法」をテーマに、売り場作りのトレンド、売上アップ、CVR向上、セール戦略、ギフト戦略のコツをお伝えしてきました。最終回では、アクセス増に貢献する楽天広告の上手な活用方法について一緒に考えてみましょう。
まずは、「いつ広告を打つべきか?」という疑問にお答えします。皆さんが広告を打つ理由の多くは「売上をアップしたいから」だと思いますが、やみくもに広告配信を行っても時間とお金を無駄にしてしまいます。
売上=アクセス数×CVR×客単価広告は、当連載でも何度か紹介した「EC売上を構成する3要素」の中で、主に「アクセス数」が足りない、もしくは伸ばしたい際に行う施策です。せっかく広告投資をしてアクセス数を増やしても、CVRや客単価を上げる対策がなされていなければ、とりこぼしが発生してしまいます。単純に「広告配信をすれば売上が増える」というわけではない点には注意しましょう。
楽天広告、様子見するなら運用型広告から
企業の方針にもよりますが、楽天市場を攻略する上で欠かせないのが「楽天広告」の活用です。EC事業者に関係する楽天広告は、大きく「楽天市場枠(ディスプレイ広告)」と「運用型広告」の2種類に分類できます。前者は目的別に「通常ディスプレイ枠(一般枠)」「大型イベント広告(セール枠)」「シーズナル広告(シーズナル枠)」の3種類に大きく分けられ、運用型広告は主に、「RPP広告(検索連動型広告)」や「クーポンアドバンス広告(運用型クーポン広告)」「TDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)」の活用が多くなっています。
「どちらから始めると良いのか?」という初心者からの質問に対して、私たちはまず運用型広告で様子を見ることをおすすめしています。なぜなら、運用型広告は広告の単価をコントロールできるため、ROAS(広告の費用対効果:Return On Advertising Spend)が良い傾向にあるからです。
ただし、運用型広告も当然ながら運用の仕方次第で成果が大きく左右されます。イメージとしては、効果的なアプローチをして売上を上げつつも、売上をさらに拡大したい時期や在庫を減らしたいタイミングなどにディスプレイ広告を活用し、新規顧客との出会いや売上の底上げを図る流れがとれると良いでしょう。
ディスプレイ広告できちんと成果を出そうと思うと、数十万円単位の投資が必要になります。また、高い成果を得られる広告枠を獲得しようとすると、金銭的な余力だけでなく早期に計画を立て、枠を押さえるスピード感も大切です。既に楽天市場における広告戦略をマスターし、大量の広告枠を押さえるプレーヤーと横並びになることを踏まえると、ディスプレイ広告は投資した金額を回収できる事業規模になった段階で挑戦するのが、効果的だといえます。