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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

“異種格闘技”のEC コンテンツで立ち向かえ!

デジタル体験向上に邁進する日米企業 先を行くブランドの違いはシステム導入と体制整備にあった

 パーソナライズの肝は、顧客に合わせたコンテンツの制作とその出し分けです。パーソナライズが大規模化する中で、具体的には何をすれば良いのでしょうか。llustratorやPhotoshopなどのツールを提供するアドビが「コンテンツ×eコマース」を語る当連載。第3回は、コンテンツを軸にEC強化に乗り出している日米企業の事例を紹介します。

 顧客体験を左右するパーソナライズ。これには、企業全体で取り組む必要があります。オンライン上のパーソナライズは、データによる顧客理解の促進や大量のコンテンツの細かい出し分けが求められます。パーソナライズ自体が大規模化していることを踏まえ、前回は、戦略的にコンテンツを配信する「コンテンツサプライチェーン」の重要性をお伝えしました。

 eコマースでは、「レコメンドを強化する」などの機能にフォーカスしがちです。しかし、膨大なコンテンツをどう効率的に制作し、eコマースの各種機能に連動すれば良いのかが重要になってきているのです。

 今回は、大規模なパーソナライズやコンテンツサプライチェーンの構築に向けた、先進企業の取り組みを紹介します。

グローバル展開でもブランドサイトの運営拠点は1つ

 パーソナライズの大規模化の前に、コンテンツの大規模化に悩む企業は少なくありません。特にグローバル展開している企業ならば、同じコンテンツでも国ごとに仕様を調整したり、エリアによって手間のかかる更新作業をしたりと、運用負荷が年々増加しているケースが散見されます。

 高級ジュエリーを販売しているミキモトも、その中の1社でした。同社は、日本に加え台湾、フランス、イギリス、アメリカなど9つの国向けにブランドサイトを運営しています。さらに日本、イギリス、アメリカのブランドサイトにはEC機能が搭載されています。これだけ多言語・多地域にまたがると運営拠点も分散され、ブランド感の統一に苦心しそうですが、実はブランドサイトの運営は本社で一括して行われているのです。

 同社は、多言語対応かつマルチサイト・マルチストア機能を持つECプラットフォームを導入。デザイン性をエリア全体で統一し、「MIKIMOTO」の一貫したブランドイメージを確立しました。ウェブサイトのソースコードやCSSはエリア共通なので、本社側で言語を変えるだけで各エリアのサイト更新も可能です。

 もう1つ、国内企業の事例を挙げましょう。カシオ計算機は、人気ブランド「G-SHOCK」のカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」を展開しています。約190万通りの組み合わせから、顧客がオリジナルのG-SHOCKを作れます。

 G-SHOCKオフィシャルストア上の「MY G-SHOCKとは?」というページにある「さっそくカスタムしてみる」ボタンを押すと、G-SHOCKの真っ白な3Dモデルが表示されます。同じ画面の右横にあるパーツのカラーなどを選択すると、瞬時にこの3Dモデルに反映される仕組みです。顧客が選んだ好みのイメージを、オンライン上で視覚的に確認できるのです。

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この記事の著者

アドビ株式会社 デジタルエクスペリエンス事業本部 パートナーセールス シニアマネージャー 今井徹(イマイ トオル)

日系ネットワーク機器のベンチャー企業で営業、マーケティングに従事。WDM、SIP、各種Saas系などのスタートアップ企業に創業メンバーとして参画。前職はデータセンター事業社のクラウド企画、オフショア開発などのマーケティング/広報、経営企画部門を歴任。2017年よりMagentoの開発プロジェクトに携...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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