アパレル時代の反省で商材を変更
森野(運営堂) 今回はTēPsを使った業務効率化の導入事例ということで、フォルダさんにお話をうかがいます。最初に会社概要を教えてください。
久保山(フォルダ) 2006年創業の会社で、今日(取材日は2月10日)が設立記念日なので、ちょうど丸17年経ちました。もともとは、財布やバッグ、服などファッション関連の商材をECで販売していました。10年前の2013年ごろから飲料・日用品の分野に商材を変えて、最近では、売上のメインは飲料です。おかげさまで、この10年で売上が20倍弱になり、楽天市場の「水・炭酸水ランキング」で上位にランクインしている商品もあります。バックオフィスを大幅にシステム化することで販売やマーケティングに注力している、ベンチャーメーカーです。
森野(運営堂) 飲料・日用品に商材を変更されたきっかけはどこにあったのでしょうか。
久保山(フォルダ) 正直なところ、きつくなってきてしまって。ファッションの業界は、春夏秋冬、季節ごとに商品が出ますよね。仕入れたら商品の写真を撮ってアップして、それが売れて、新たに仕入れようとするともう商品がないわけです。財布などは短期間で何度も買い換えるものでもないので、売上も横ばいの状態が続いていました。
商材を変えようか悩んでいたとき、ふと楽天ランキングを見ると売上1位が「クリスタルガイザー」だったんです。やるならいちばんを目指そうと、次の商材を水に決めました。日本はこれだけ水には恵まれているのに、「なぜわざわざアメリカの水を買って飲むんだろう」という疑問もありましたね。
森野(運営堂) そんな経緯があって商品を転換し売上が20倍にもなったということですが、ECサイトはどれぐらいお持ちなのでしょうか。
矢野(フォルダ) 通販だけですと20店舗ほどです。それらの店舗の受注処理は、ほぼ自動化しています。
森野(運営堂) 20店舗ものECサイトを少数精鋭で運営しているということは、やはり商品点数が少ないからできるのでしょうか。
久保山(フォルダ) そうですね。商品の入替えも多くはないですし、商品数だけだと20~30商品ほどです。
森野(運営堂) 商品点数が少ないとはいえ、ECサイトが20店舗ともなると、自動化が難しいのではないでしょうか。それぞれのサイトで独自にシステムを導入することになってしまったり、担当者によって使うシステムが違ったりすることがあるので。この問題は、TēPsを導入することで解決されたのでしょうか。
久保山(フォルダ) 飲料の場合は、重たいのに数だけは出てしまうので、とにかく出荷を自動化したいと思っていました。月に10万件ぐらいの注文をいただきますが、ひとつの倉庫から出すのは非常に難しく、全国に4ヵ所ある提携工場や倉庫から出荷をしています。
以前もなんとか注文をさばけてはいましたが、拡張性はありませんでした。どうにかしたいと考えていたときにTēPsを知り、使い始めると「何でもできるじゃん!」という話になったんですよね。今では各基幹システムや受注管理システムなど、すべてのシステムの接着剤のようなポジションになっています。