売上構成要素で最初に着目したいアクセス数
「楽天市場で売上を伸ばしたい」。チャネル拡大を目論むメーカーの多くが、こうした野望を抱えるのは当然のことと言えるでしょう。これに対する答えをお伝えする前に、基礎知識としてEC売上を構成する3つの要素から解説できればと思います。
売上=アクセス数×CVR×客単価
売上は、この3つの要素のかけ合わせで生まれるものです。では、「売上アップ」という最終ゴールに向かうには、どの要素から改善に着手すると良いのでしょうか。結論からお伝えすると、購入に最低限必要な情報をサイトや商品ページに掲載している状態であれば、最初に挙げた「アクセス数」に目を向けることが、改善への近道と言えます。
売上を生み出す仕組みを理解できていないと、どうしてもゴール(購入)に近いCVRに目を向けてしまいがちですが、そもそもコンバージョンは顧客がいなくては生まれないものです。豊富に商品を取り揃えるECであれば、「客単価向上施策でもできることがある」と思われるかもしれません。しかし、これもアクセス数やCVRが少ない状態で行っても大きな効果にはつながりにくいです。まずは「アクセス数」という分母を大きくすることが、先決と言えるでしょう。
たとえば、10人しか顧客がいないところで頑張って売っても、生み出せる売上には限界があります。まずは多くの人の目に触れるようにする。お店を知ってもらう。そして顧客が100人、1,000人と増えていけば、売上も右肩上がりとなります。
また、アクセス数はEC売上を構成する3つの要素の中で、もっとも予想を立てやすく、コントロールしやすい指標であるとも言えます。とくに楽天市場の場合は、管理画面にある「店舗カルテ」の「商品ジャンル別売上トレンド」で、自社の所属するカテゴリーの市場動向と自社の成長度を比較することができます。カテゴリーごとの分母(市場規模)や自店舗の現状がおおまかにわかるようになっているので、理想とどれだけ乖離しているか、自社で生み出せる売上の限界値も把握することが可能です。こうした情報をふんだんに活かしながら、ゴール設定とそこまでの道筋を描いていきましょう。