GA4でデータと向き合うには? 2023年7月までに攻略しよう
前回は、ECサイトを運営する上で重要な指標のひとつである「客単価」について、事例を挙げながらプチ改修の方法をご紹介しました。今回は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社 イノベーション・パートナーズ本部 イノベーション戦略部 集客支援グループに所属する菅原が、当社が携わってきたECサイト成長支援プロジェクトの一部をお見せしながら、プチ改修を行う根拠として欠かせないアクセス解析ツールGA4の使いかたや、データとの向き合いかたについてお伝えします。
GA4は、2020年10月に正式リリースされました。その後、旧Google アナリティクス(ユニバーサル アナリティクス)が2023年7月1日をもって計測終了する旨がアナウンスされ、当社が支援するEC事業者の方々からも、GA4活用についての相談をいただく機会が増えています。
中でも、「GA4のデータをどう活用すれば良いのかわからない」といった相談が多いのですが、詳しく聞いてみると主に次のふたつの課題に分かれています。
- GA4データの見かたがわからず、行き詰まってしまう
- 分析がうまくできず、施策検討が止まってしまう
当記事ではこうした課題をどう解決すべきか、事例を交えながらお伝えしていきます。
「ディメンション」と「指標」の名称を把握し、画面に慣れよう
GA4の画面を開くと、ユニバーサル アナリティクスとデザインがまったく異なるため、驚かれた方もいるのではないでしょうか。GA4は分析画面がフルリニューアルされており、一見するとまるで別のアクセス解析ツールに触れているようにも感じられます。
しかし、よく見るとレポート画面が「ディメンション」と「指標」から構成される点は、GA4もユニバーサル アナリティクスも一緒です。つまり、基本的な使いかたはこれまでと大きく変わってはいません。にもかかわらず、データの見かたがわからなくなってしまう理由は、名称を変更している項目が多い点にあると言えます。
代表的な例として、ユニバーサル アナリティクスでは「ページビュー」と名付けられていた指標が、GA4では「表示回数」と変更されています。GA4のレポート画面やディメンション・指標には見慣れない名称が多く見られますが、項目そのものはユニバーサル アナリティクスから踏襲されているものがほとんどです。そのため、まずは新しい名称を覚えるところから始めましょう。双方の画面を見ながら照らし合わせて確認することで、GA4に対する苦手意識はだいぶ払拭されるはずです。
また、GA4の指標を見る際には次の2点にも注意しましょう。
1. 計測概念の違いを理解する(セッション単位→ユーザー単位)
GA4では、ユーザー軸のデータ分析機能が大幅に強化されました。ただし、実際にデータを活用するにあたっては、まだ扱いづらい側面もあります。たとえば、GA4の仕組みを知らない人にUU(Unique User:ユニークユーザー)数を共有する場合、1日ごとの数値を1ヵ月分足したものと、1ヵ月分をまとめて抽出した数値が異なり、混乱を招く可能性があります。
なお、GA4にもセッション軸のディメンション・指標そのものは残されています。「レポート>集客>トラフィック獲得」の画面から表示できる、「セッションの参照元/メディア」などのレポートをご覧いただくと、より理解が深まるはずです。
2. 「エンゲージメント」の概念が追加されている
「レポート>エンゲージメント>概要」を見ると、「エンゲージのあったセッション数(1ユーザーあたり)」をはじめとする指標が現れます。GA4は、このように「エンゲージ」や「エンゲージメント」という言葉をよく目にする点も特徴と言えるでしょう。
「エンゲージメント」の定義について、Google社のアナリティクス ヘルプでは「サイトやアプリに対するユーザーの操作」とやや曖昧に記載されていますが、具体的にはセッションの途中で次のうちいずれかの挙動が起きた際に、「エンゲージメント」があったものと判定されるようです。
- 10秒以上継続して同一画面を閲覧している
- コンバージョンを達成している
- ページビューが2回以上発生している
また、GA4では「エンゲージメント」が発生しなかったセッションを「直帰」とみなします。ユニバーサル アナリティクスの「直帰」が「1ページしか閲覧されなかったセッション」と定義されていたのとは異なる点にも、注意が必要です。