ECサイトにおける「客単価」を考える
今回は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社 イノベーション・パートナーズ本部 イノベーション戦略部 集客支援グループに所属する今西が、当社が携わってきたECサイト成長支援プロジェクトの一部をお見せしながら、「プチ改修」の重要性をご紹介いたします。
前回は、ECサイトの訪問者を「新規ユーザー」と「リピーター」に分け、Googleアナリティクス(以下、GA)でセグメントごとにデータを比較。一般的には数が多いものの、リピーターよりもCVR(Conversion Rate:購入率)が低くなりがちな新規ユーザーに向けた施策と効果検証の方法をご紹介しました。
今回は、ECサイトを運用する上で重要な指標のひとつである「客単価」に焦点を当てます。客単価とはいったいどういった指標なのか、どのようにして客単価アップを目指していくのか、具体例を挙げながら説明していきます。
客単価とは、ECサイトの購入ユーザーひとりあたりの平均購入金額を指します。客単価という単語自体は、ECサイトだけでなく実店舗などでも使用されていますが、一般的な計算式は次のとおりとなります。
客単価(平均購入金額)=売上金額の合計÷購入ユーザー数
客単価は、ECサイト運用時にたいへん重要な指標のひとつとなっています。なぜなら、客単価の向上は、売上の向上に直接的につながるからです。通常多くのECサイトでKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)としている売上は、次の計算式によって算出されます。
売上=セッション数×CVR×客単価(平均購入金額)
客単価に関しては、ECサイトで取り扱う商品そのものの平均単価や特性に大きく依拠します。そのため、客単価を上げるのはCVRやセッション数の向上よりも難易度が高いことだと言えるでしょう。
たとえば、Tシャツを販売するECサイトがあったとします。同サイトで施策を行い、顧客ひとりあたりの平均購入枚数を1枚から2~3枚に増やすことは可能かもしれませんが、全顧客が一度に10枚購入してくれる状況を生み出すのはかなり困難です。また、急に客単価を2倍にする、あるいは客単価を上げ続けることも至難の業と言えます。
しかし客単価の変化がわずかであったとしても、セッション数やCVRの値によっては、全体の売上に大きなインパクトを与える可能性があります。そのため、客単価が注視して追うべき指標であることは間違いありません。
なお、客単価はGAでも次の手順で知ることが可能です。
コンバージョン>eコマース>概要
概要ページの「平均注文額」という項目に、任意の期間の客単価が表示されます。
前回の記事でもお伝えしたように、GAのデータはセグメントを適用することで任意のユーザーに絞った客単価を調べることも可能です。たとえば、客単価は新規ユーザーとリピーターで大きく差が出ることもあるので、ユーザー区分別に把握しておくことをお勧めします。