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意外と知らない日本のECから買う国や好みの決済手段を調査!「2022年ペイパル海外通販レポート」

 ペイパル(PayPal)が毎年発表している海外通販レポートの2022年版が8月にリリースされた。インバウンド減と円安傾向で脚光を浴びる越境EC。2022年こそ本腰をと思うなら、ぜひチェックしてほしい内容だ。

越境ECに挑戦するなら「2022年ペイパル海外通販レポート」をチェック

 オンライン決済サービスをグローバルで展開するペイパル(PayPal)が8月4日、「2022年ペイパル海外通販レポート」を発表した。世界の主要マーケットにおける最新の動向や消費者の考えや行動に対する理解を深めることで、世界市場を視野に入れた企業が商機を引き出すための一助となることを目的としたもの。

 世界の14の市場(日本、中国、香港、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、メキシコ、ブラジル)の1万4,000人(過去3ヶ月以内にオンライン購入をしたことがある18歳以上)を対象に、2021年12月~2022年1月に実施している。

 本調査の目的について、ペイパル東京支店 広報部長の村田弦也さんはこう語る。

「ペイパルはグローバルで約4.3億人のユーザーを有し、その中には約3,500万の加盟店を含みます。日本では越境ECと呼ばれる自国のみならず海外のサイトからものを買ったり、海外のお客様にものを売ったりするクロスボーダーショッピングが活発になっており、ペイパルでは越境ECに積極的な消費者や事業者の方をサポートするためにも定期的にレポートを公開しております。2022年は14の国・地域を対象にとくに決済に焦点を当て、トレンドや新たなムーブメントについて調査しました。越境ECをお考えの事業者様が、どの地域に向けどのような商売をしていくかのヒントをご提示できればと思います」

話を聞いた人:PayPal Pte. Ltd. 東京支店 広報部長 村田弦也さん

PayPal Pte. Ltd. 東京支店 広報部長 村田弦也さん

 外資系広報代理店を経て2008年にアメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.に入社。 広報マネージャーとして多岐に渡るPR活動に携わる。その後、2017年にウォルマート・ジャパン/西友に入社。企業コミュニケーション部にて新商品ローンチなどの社外PRを担当したほか、コーポレートブランディングの強化を目的としたウェブサイトの構築や公式ソーシャルメディアの運営などにも従事する。2019年11月より現職。

「2022年ペイパル海外通販レポート」は、「エグゼクティブサマリー」「主な変化」そして14の国と地域の「市場別概況」の3つのパートから構成されている。まずは「エグゼクティブサマリー」から読み取れることを解説してもらう。

「グローバルにおけるEコマースの取扱高が、2020年から2021年にかけて7,000億米ドル増加したことがわかっています。経済の先行きに不透明感があり、かつロックダウンによる巣ごもり消費からリアル回帰の傾向が見えているにもかかわらず、Eコマースへのニーズは堅調に伸びていると言えます」

 次に「主な変化」だが、こちらは大きく3つの変化に分けられると言う。ひとつめは「ライフスタイルの変化」だ。

「コロナ禍を経て、時間や場所に縛られないライフスタイルに移行する人たちが増え、その変化はものを買う行為にも影響を与えています。とくに決済手段は柔軟性を求められており、今回のレポートでは消費者の46%が『分割払いを受け付ける小売業者を優先して利用したい』と回答しました。BNPL(Buy Now Pay Later、後払い)へのニーズは高まってきており、関連してペイパルでは日本で2021年9月にあと払い決済サービス『ペイディ』を提供するPaidyを買収しました。アメリカでは仮想通貨の利用も増えてきており、従来のクレジットカードや現金に加え、新たな決済手段が求められる変化が起きています」

分割払いを受け付ける小売業者を優先して利用したいが46%

 ふたつめ、3つめは消費の選択の際に物理的なスペック以外の要素が影響を与えるようになった変化だ。

「『友人や家族と一緒に楽しむ製品やサービスの購入により多くを費やした』と回答した消費者が57%と半数を超えました。コロナ禍において、外出せずに家の中で楽しむための消費が増えた面もありますが、自分のためだけではなく親しい人たちと一緒に楽しむことができるものにお金を使うようになったと考えられます。

『友人や家族と一緒に楽しむ製品やサービスの購入により多くを費やした』が57%

 さらに『社会に有益な取り組みを行う企業を優先して利用したい』が59%と、社会的課題に対して何らかのアクションを起こしている企業が支持され、消費行動にもつながっていることが読み取れる結果となりました。サステナビリティやSDGs(持続可能な開発目標)についてはコロナ禍以前からも関心はありましたが、コロナ禍を経てその傾向が強くなったと感じています。

 興味深いのは、国によって重視する社会的課題が異なることです。レポートによれば、フランスやイタリアは商品の素材にサステナブルな素材が用いられていることを重んじ、イギリスやブラジルはより環境に配慮した消費を行い、中国ではリユースに対して積極的な傾向がうかがえました。越境ECに取り組む事業者様におかれましては、このような国ごとの傾向をおさえていただくのにも役立つレポートではないかと考えております」

『社会に有益な取り組みを行う企業を優先して利用したい』が59%

 次ページからは、最後のパートとなる14の国と地域の「市場別概況」より、越境ECに取り組む日本の事業者の役に立ちそうな特徴的な国と地域をピックアップして解説してもらおう。

次のページ
海外への販路拡大のチャンス!コロナ禍で越境ECを始める企業も

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