ブランドを損なわない施策で自社ECを差別化
象印ダイレクトのオリジナルアイテムには、復刻花柄シリーズ以外にも、デザイナーやアニメキャラクターとコラボしたステンレスボトルがある。2022年4月には、海外で販売している水彩花柄ボトルを国内では象印ダイレクト限定で発売するなど、定期的に新商品を投入していく考えだ。
「象印ダイレクト独自の取り組みとして、ステンレスボトル、ステンレスタンブラーへのオリジナルプリント(50本以上で受付)を有料で承っています。2021年冬に、問い合わせ方法の導線を最適化する形でページをリニューアル。その結果、3月の卒業シーズンに向け、お客様からの問い合わせが増加しました。従来は個別にお問い合わせをいただいていたのですが、象印ダイレクトを窓口とすることで、オリジナルプリントに対し、お客様が気軽にお問い合わせいただけるようになったと感じています」(立野さん)
さらに、2022年2月からは一部の商品で予約販売を開始、こちらも好評を博している。新商品を発表したタイミングで、象印ダイレクトにてその商品の予約注文が行える。2022年6月21日新発売の、圧力IH炊飯ジャー『炎舞炊き』シリーズ NW-FA型についてもこの取り組みを行った。また、2022年7月にはオーブンレンジのジャンルに参入。こちらも象印ダイレクトで、予約注文を受け付け中だ(8月31日まで)。
「お客様からの反応を受け、直販ECサイトでの予約注文に一定のニーズがあることが確認できました。象印ダイレクトで予約注文されるお客様は、当社の商品情報ページをご覧になっていただいた上で、そのページに設置された『この商品を購入する』ボタンから象印ダイレクトにたどりついてくださる流れが多くなっています」(立野さん)
顧客の声を活かしたオリジナル商品の開発、オリジナルプリントのようなプラスアルファのサービス、そして新商品をいち早く手に入れたいファンに向けた予約注文の仕組み。いずれもD2Cサイトや自社サイト運営の参考になるとインターファクトリー・武藤さんは言う。
「当社のカスタマーサクセスチームには、自社サイトと大手モール出店店舗との差別化についてのご相談がよく寄せられます。象印ダイレクトでのお取り組みは、ブランドを損なわずお客様のニーズに沿ってさまざまなご提案をなさっており、自社ECサイト運営の最適な施策ではないかと感じておりました」(武藤さん)