探しやすく購入しやすい商品ページ作りに必須な高速PDCAとは
ここからは小松氏が再び登壇し、デジタルカメラの商品情報アップデート時に実施したABテストの事例を紹介した。ふたつのページの概要は、次のとおりだ。
- ページA:メーカー名、商品型番、スペック数種といったスタンダードな内容を記載
- ページB:メーカー名、商品型番のほか、「初心者向け」、「入園・入学式向け」といった利用シーンや利用者のレベルを表すワードを記載
「結果からお伝えすると、ページBの成果が高い結果となりました。たとえば、店舗であればスタッフとのコミュニケーションから候補機種を絞り込むことが可能ですが、ECサイト上では商品情報に掲載された情報のみから判断しなくてはなりません。カメラに詳しいユーザーは、型番とスペックがきちんと入力されていれば目的の機種を見つけることが可能です。カメラにあまり詳しくなく、機種の候補が曖昧なユーザーのニーズに合致した結果が、数字につながっていると考えられます」(小松氏)
商品情報は、一度更新・最適化したら終わりというわけではない。小松氏は、「ユーザーの反応を見ながらアップデートしていく必要がある」と強調する。
「トライアンドエラーを繰り返す中で、失敗することもあるでしょう。しかし、その場合はまた変えれば良いのです。今は、こうした変更もAI活用でスピーディーかつ高精度に実施することができます。いろいろと試しながら、ユーザーにとって本当に探しやすく、購入しやすい商品情報が記載されたページを作り上げましょう。CVRなどを見つつ、スピーディーにPDCAを回し続けることが重要です」(小松氏)
最後に、太田氏からマクニカのAIサービスについて紹介がなされた。同社のAIサービスは、マクニカの関係会社でAI as a Serviceを提供するCrowdANALYTIX社が提供している。同社は世界50ヵ国、2万5,000人以上のデータサイエンティストコミュニティのリソースを活用し、顧客課題に合わせたフルカスタマイズのAIサービスを提供する企業である。
「EC向けには、今回ご紹介した商品情報以外にも、価格設定や在庫適正化などの業務をAIで自動化するサービス『CrowdANALYTIX for EC』を用意しています。また、伸びしろとも言える機会損失領域と、運用のボトルネック発見から改善アクションの計画策定まで支援するワークショップ形式のアセスメントサービスも展開しています。また、自社ECサイトの商品情報の品質を無料で診断するサービスも実施しておりますので、AIを活用した商品情報の管理や最適化に興味・関心がある方は、ぜひお問い合わせください」(太田氏)