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ECzine Day 2024 Spring

2024年3月14日(木)10:00~16:20(予定)

ECzine Day 2022 Summer レポート(AD)

取扱点数1,000万点以上のアスクルがECの裏側で行うAI活用 成否を分けるのはラベルとカテゴリ整理

 ECサイトの売上に直結するコンバージョン率(CVR)。その改善に欠かせないのが、検索性の向上にもつながる商品情報の最適化だ。2022年6月8日開催の「ECzine Day 2022 Summer」にて、株式会社マクニカ ネットワークスカンパニー DX事業部 AIビジネス部 第1課の太田愛美氏と、Colabofact 代表/Bsidefunny株式会社 CDOの小松夕祐氏が登壇。商品情報の中でもとくに重視すべき「ラベル」と「カテゴリ」の最適化に加え、マクニカのAIサービスを活用してアスクル株式会社が取り組む商品情報管理・最適化について解説した。

商品詳細ページをくまなく見るユーザーは少数派と理解し対策を

 まずは、アマゾンジャパン合同会社にてデジタルマーケティングおよびバイヤーを担当した経験のある小松氏より、ECサイトの売上を作る上での注意点が紹介された。

Colabofact 代表/Bsidefunny株式会社 CDO 小松夕祐氏

「ECサイトの売上は『訪問数×CVR×購入単価』の式で表すことができます。売上を伸ばすには、これら3つの要素を上げる必要がありますが、もっとも優先度が高いのはCVRです。訪問数を増やすための集客施策に目が向きがちですが、仮にCVRに課題がある状態で訪問数が増えても、それだけ『買いたい商品がない』、『見つからない』、『(欠品などで)買えない』というユーザーが増え、かえってECサイト自体のイメージを毀損してしまう可能性すらあります」(小松氏)

 続いて小松氏は、CVRに影響する主な要因として「商品情報」、「在庫」、「プライシング(価格)」を挙げた。ほかに、レビュー数や配送日数なども影響するが、先に挙げた3つがとくに重要だと言う。

「本セッションでメインテーマとして取り上げるのは、商品情報です。商品情報には、訪問者の購入の決め手となる情報が掲載されていること、そして、条件にマッチした商品をスムーズに検索できることが求められます。そのためにとくに注力すべきポイントが、ラベルとカテゴリです」(小松氏)

 カテゴリは文字どおり、ECサイトのナビゲーションメニューでもよく使用されている分類のことを指す。ラベルとは、ECサイトの商品タイトルを構成する各要素(属性)を指し、たとえば「ブランド名」、「商品カテゴリ」、「商品名」、「型番」、「スペック属性」などが該当する。

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「ユーザーが目的の商品にたどり着くまでの検索の動きとして、ナビゲーションメニューのカテゴリをたどる、あるいは検索窓にキーワードを入力するという大きくふたつのルートが存在します。当然、前者ではカテゴリのわかりやすさ、探しやすさが重要です。

 また、いずれのルートも該当する商品一覧ページが表示されますが、ユーザーはそこで商品タイトルを見て、ブランドや大まかなスペックなどから一次振り分けを行います。つまり、商品を探す段階からラベルも重要な役割を担うのです」(小松氏)

 次に、ユーザーが商品詳細ページに移動して購買判断を行う上では、適切なラベルで十分な情報を網羅した商品タイトルの掲載が求められる。

「ECサイトを訪れるユーザーの行動を分析すると、商品詳細ページの情報をくまなく見ている人はごく少数です。多くは商品タイトルの情報から自分が求める商品なのかどうかを判断し、補足的にレビューなどを見て、購入に至ります。そのため、購買判断にあたって重要とされる情報(ラベル)を商品タイトルに入れ込むことが必要です」(小松氏)

 ラベルやカテゴリを中心とした商品情報の最適化は、商品を探しやすくしたり、購入判断に十分な情報を提供したりする上で欠かせない作業と言える。そのため、「たとえ数万SKUを扱う大規模ECサイトであっても、そのすべてに必要な商品情報をもれなく記載し、最適化しなければならない」と小松氏は指摘する。

「売上の柱となる主力商品にそのリソースを割くことができても、運用リソースの関係上、個々の売上が小さなロングテール商品には情報の漏れやわかりにくさが生じてしまう。こうしたことは往々にして起きがちですが、だからこそ伸びしろのある領域だとも言えます。ぜひ手を加えていきましょう」(小松氏)

 とは言え、大規模ECサイトで人手を使って膨大な商品情報を整理し、運用・管理を行うのは非現実的と言えよう。そこで有効となるのが、AI活用だ。ラベルやカテゴリの最適化に関する業務の一部を自動化し、スケール可能な仕組みを構築することで、運用の効率化と成果の最大化を実現できると言う。

ホワイトペーパー「ECサイト運営にてAIを使いこなすコツとは?」

 元アマゾンジャパン合同会社のECサイト運営担当者である小松夕祐氏が、自身の経験を踏まえ、昨今のEC業界の競争激化の背景/顧客から信頼され選ばれるECサイトへと成長するためのポイント/なぜ今EC業界でのAI活用が必要なのか/業務上の課題を解決へと導いたAI活用法の具体的成功事例などについて解説した資料は、マクニカ公式サイトよりダウンロードできます。

「カテゴリ自動付与」と「重要属性スコアリング」でコスト削減と属人化リスクの軽減へ

 続いて、AIを使った商品情報の管理について、マクニカの太田氏から解説がなされた。

株式会社マクニカ ネットワークスカンパニー DX事業部 AIビジネス部 第1課 太田愛美氏
 同社はアスクルのECサイトにおける商品情報の管理および最適化に関する業務をAIサービスで支援している。そのひとつが「カテゴリ自動付与」だ。

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 同サイトでは、オフィス用品や医療・介護、製造業向けの専門商材など、1,000万点以上の商品を扱い、商品カテゴリも数千に及ぶ。同サイトへ商品掲載をするにあたっては、複数サプライヤーから提供される商品データに対して、それぞれ適切なカテゴリを付与した上で商品登録を行う業務が存在する。

「従来は、この業務をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)および一部内製による人手で行っていましたが、商品点数が多いため時間がかかる上、専門商材はカテゴリの判断が難しいケースも多く、課題となっていました。そこで、マクニカのAIサービスを用いて各商品へのカテゴリ付与を自動化しています」(太田氏)

 導入当初から、AIによるカテゴリ自動付与が難しい商品に関しては、人間の目検でカテゴリを付与した後にAIモデルへフィードバックを実施。学習データを増やしながらAIモデルをチューニングすることで、継続的に自動付与率を向上させている。すでにカテゴリ選定全体の約70%が自動化の対象になっていると太田氏は説明する。

「同サービスの導入により、アスクルのECサイトは商品登録業務がスピードアップし、商品掲載までの時間が大幅に短縮されました。BPOに依頼するカテゴリ付与の件数減少によるコスト削減や、属人化リスクの軽減にもつながっています」(太田氏)

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 アスクルのECサイトでは、もうひとつAIにより実現している作業がある。それは「重要属性スコアリング」だ。マクニカは、AIを用いて導入企業の自社ECサイトおよび外部サイトの検索データなどを取得し、対象商品の購入の決め手となる属性項目を抽出。その上で、各属性の重要度をスコアとして数値化したアウトプットを提供している。これは商品情報として優先的に記載すべき要素を示すことで、ラベルの最適化を支援するものだ。

「同作業により、従来把握できていなかった重要度の高い属性項目を新たに見つけ出すことができます。つまり、『顧客が何を重視しているのか』といったユーザーニーズをより明確に把握できるようになるということです。

 たとえば、『シーリングファン』というカテゴリでは、製造ブランドや屋内/屋外用といった属性のほかに『羽の数』が高いスコアを記録していることがわかります」(太田氏)

 こうした重要属性スコアを基に商品情報へ適切な情報を付与すれば、検索性の向上や購買判断に必要な情報の提供が可能となる。つまり、ユーザーが商品を探しやすく、買いやすいECサイトへ継続的に成長できるというわけだ。

 なお、マクニカでは重要属性項目のスコアリングに加え、具体的な商品名(商品タイトル)やサイト上の絞り込み項目(フィルター項目)のレコメンドもアウトプットとして提供している。これらを基に重要度の高い属性項目を追加した商品名の候補と現状の商品名のスコアを比較し、担当者が変更項目を判断。最終的にはスコアの差異が大きな商品から変更を行うといった形でも活用が可能である。

探しやすく購入しやすい商品ページ作りに必須な高速PDCAとは

 ここからは小松氏が再び登壇し、デジタルカメラの商品情報アップデート時に実施したABテストの事例を紹介した。ふたつのページの概要は、次のとおりだ。

  • ページA:メーカー名、商品型番、スペック数種といったスタンダードな内容を記載
  • ページB:メーカー名、商品型番のほか、「初心者向け」、「入園・入学式向け」といった利用シーンや利用者のレベルを表すワードを記載
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「結果からお伝えすると、ページBの成果が高い結果となりました。たとえば、店舗であればスタッフとのコミュニケーションから候補機種を絞り込むことが可能ですが、ECサイト上では商品情報に掲載された情報のみから判断しなくてはなりません。カメラに詳しいユーザーは、型番とスペックがきちんと入力されていれば目的の機種を見つけることが可能です。カメラにあまり詳しくなく、機種の候補が曖昧なユーザーのニーズに合致した結果が、数字につながっていると考えられます」(小松氏)

 商品情報は、一度更新・最適化したら終わりというわけではない。小松氏は、「ユーザーの反応を見ながらアップデートしていく必要がある」と強調する。

「トライアンドエラーを繰り返す中で、失敗することもあるでしょう。しかし、その場合はまた変えれば良いのです。今は、こうした変更もAI活用でスピーディーかつ高精度に実施することができます。いろいろと試しながら、ユーザーにとって本当に探しやすく、購入しやすい商品情報が記載されたページを作り上げましょう。CVRなどを見つつ、スピーディーにPDCAを回し続けることが重要です」(小松氏)

 最後に、太田氏からマクニカのAIサービスについて紹介がなされた。同社のAIサービスは、マクニカの関係会社でAI as a Serviceを提供するCrowdANALYTIX社が提供している。同社は世界50ヵ国、2万5,000人以上のデータサイエンティストコミュニティのリソースを活用し、顧客課題に合わせたフルカスタマイズのAIサービスを提供する企業である。

「EC向けには、今回ご紹介した商品情報以外にも、価格設定や在庫適正化などの業務をAIで自動化するサービス『CrowdANALYTIX for EC』を用意しています。また、伸びしろとも言える機会損失領域と、運用のボトルネック発見から改善アクションの計画策定まで支援するワークショップ形式のアセスメントサービスも展開しています。また、自社ECサイトの商品情報の品質を無料で診断するサービスも実施しておりますので、AIを活用した商品情報の管理や最適化に興味・関心がある方は、ぜひお問い合わせください」(太田氏)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://eczine.jp/article/detail/11512 2022/07/08 11:00

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