TikTok、YouTube ショートにて縦長動画で認知を得る
2022年、動画を切り口にEC事業者が取り組みたいこととして、久保田さんはまず「縦長ショート動画」を挙げた。
「TikTok、YouTube ショートに縦長で短尺の動画を出すことで、認知を得ようという企業の取り組みが増えています。視聴者目線で見ても、TikTokは次から次へとサクサクさまざまな動画を視聴できて楽しいですし、 YouTube ショートは自分にあったものがレコメンドされているなと実感しています」
コロナ禍を機に、企業のデジタルコミュニケーションへの投資は活発だ。新規のECサイト開設やリニューアル、 SNSでの情報発信やYouTubeチャンネルの開始など、何かしら新しいことを始めた読者も少なくないのではないか。それは同時に、ライバルも増えたということである。
見つけてもらうには、自社の顧客となりうるユーザーがいる場所に出ていく必要がある。そして、ターゲットにもよるが、TikTokとYouTubeという動画メディアに多くの人が集っていることは間違いない。そこで認知を獲得するのに有効なのが、縦長ショート動画だと言う。
「Instagramがブームになった数年前にも、縦長動画を作るべきだという論調はありましたが、企業が制作したものという視点ではそれほど数は増えませんでした。企業が広告クリエイティブを制作する際には、汎用性を求めるものです。縦長やスクエアの動画を作っても、Instagramしか発表の場がないのはコストパフォーマンスが悪い。今回、TikTokやYouTubeショートにも縦長動画を使い回せるようになったことで、今度こそ制作に本腰を入れることができるでしょう」
縦長動画を制作する際には、それをメインに制作することがポイントだと言う。
「スマートフォンで閲覧する縦長動画をメインにまず制作し、それをPC用の横長動画に編集するという順番で考えていただきたいと思います。私自身もそうですが、PCで仕事をし、楽しむためのコンテンツも見ているため、ついPC目線で企画や構成も作りがちです。Z世代はもちろん、一般消費者が生活の中で視聴する際のメインのデバイスはスマートフォンであることを忘れないようにしましょう」
なお、制作はスマートフォンに限らずカメラ等であっても良い。あくまで縦長動画がメインであることを意識できれば良いそうだ。