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季刊ECzine vol.20定点観測

TikTokとWeb3が示す 予測不能な本質が問われる未来

 EC事業者がおさえておきたい13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。アライドアーキテクツの藤田さんに、SNSについて聞きました。※本記事は、2022年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.20』に掲載したものです。

TikTok旋風吹き荒れる魅力はセレンディピティ

 年明け、普段であれば各プラットフォーマーから方針や展望が示される時期だが、取材時点では、その規模の情報は出てきていない。背景には、2021年後半からのTikTokのひとり勝ちとも言える一大ブームがあるのではと藤田さんは分析する。

「日本でもTikTokに注力する企業が急増しましたし、年末年始のテレビ特番を見ていても、TikTokと組んだものが多かった。最近発表されるTwitterやFacebookの新機能は、TikTokに似せたのでは?と思われるものも多く、独自性が失われるのではと懸念しています」

 それぞれのSNSで機能が充実するのは良いことだが、どのメディアでも同じようなことができるとなると、投稿する側はもちろん、ファンも混乱するだろう。

「企業がSNSを活用する場合、それぞれの特徴に合わせた施策を考え、組み合わせることで成果につなげるのが一般的になっていました。SNSの特徴がなくなり画一化すると、その対策が難しくなる。一方で、何かひとつのメディアに絞るのは早すぎるでしょう。SNS活用のハードルが上がります」

 ひとり勝ちとも言えるTikTokの最大の魅力は「拡散の仕組み」だと藤田さんは言う。

「TwitterやInstagramは、何かしら特徴がある投稿が拡散される傾向にありました。個性が際立ったインフルエンサーが強かったわけです。一方TikTokは、一般ユーザーが突然バズることがある。明日バズるのは自分かもしれないと夢見て投稿し、楽しんでいます。逆説的ですが、人によりフォーカスが当たっていると言えます」 

 2021年12月、大京警備保障がTikTokでのフォロワー数が100万人を突破したことをプレスリリースで発表した。同社は、2020年3月25日にTikTok投稿をスタート。そのわずか8日後の4月2日に、棺桶ダンス動画が370万回再生となった。その後、社長自らが登場する「課長が社長にいたずらシリーズ」や、複数の社員が登場するダンス動画などで順調にフォロワー数を増やし、12月23日時点で130万人にもなっている。

 「TikTokは中の人が登場し踊ってこそ、真価を発揮する世界です。見方を変えれば、フォーマットが決まっているとも言えます。バズっている動画を真似することから始めれば良いため、社内の人を巻き込みやすくなっています。TikTok動画をきっかけにモノが売れているというニュースもあり、しばらくは企業の新規導入が進むでしょう」

 拡散の仕組みとも関連するが、藤田さんはTikTokの魅力としてレコメンドを挙げる。

 「他のSNSでは、たとえば猫の投稿をひとつ見ると、その後のレコメンド枠が猫だらけになったりしませんか? 深掘りはできるのですが、個人的には驚きを伴った新たな発見が少なくなる気がします。それがTikTokでは、猫について歌う動画が出てきたり、ひたすら猫の鳴き声を集めた動画だったり、関連しているけれど気持ち悪くない、絶妙なさじ加減のアルゴリズムになっていると感じます。TikTokは見始めるとやめられないという人が多いのですが、このセレンディピティのあるレコメンドに中毒性があると言えるかもしれません」

 一方でそれは、投稿する側がコントロールしきれないことも意味する。

 「Instagramでいう『映え』のような、テクニックの鉄板のようなものがまだありません。SNSの王道と言える、中の人が出ていくか、そこで活躍しているクリエイターと組むか、現状はこのふたつくらいでしょうか」

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