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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス

在庫連携・デジタル活用で広がる可能性 アートブック専門店BOOKMARUTEの売場に見えた変化とは

 事業規模を問わず、店舗とEC双方で商品を同時に陳列・販売する流れが一般化しつつある昨今。そこでセレクトショップや古本、古着、ハンドメイド品など少量多品種の商材を扱う店舗の課題となるのが、在庫連携だ。香川県高松市で写真集・アートブックの専門店を展開するBOOK MARUTEで働く田中さんに、この課題をどう乗り越えたのか、コロナ禍に始めたアート×SNSの新たな取り組みなどについて話を聞いた。

休み明けの在庫一覧編集から脱却 業務をより円滑に

 香川県高松市の港にほど近い場所に位置する商業施設「北浜alley」。その一角に店を構えるのが、写真集やアートブックを中心に取り扱う本屋 BOOK MARUTEだ。カフェやギャラリースペースも併設する同店は、高松近郊に住む人のみならず、コロナ禍以前には中国・台湾などから来た観光客がわざわざ立ち寄ることもあるほど、アート好きな人たちが集まる場として育っている。

 高松で生まれ育ち、元々は「BOOK MARUTEの来店客のひとり」であったという田中さんは、BOOK MARUTEで働き始めた2年ほど前に、前任のスタッフから引き継ぐ形でSTORESを使ったEC運用を開始。店舗とECで同時に商品を陳列・販売し、Excelを用いて在庫管理を行っていたが、「在庫を把握する上でタイムラグが生じてしまうこと、手動管理によりずれが稀に発生する点が課題だった」と語る。

「InstagramやTwitterで告知をすると、とくに人気の作家さんの作品はすぐに在庫が動きます。店舗に直接足を運んでくださるお客様もいらっしゃいますが、遠方に住んでいる方もいたり、とくに今はまだ寒かったりコロナ禍だったりとあまり出歩きたくない方が多いご時世です。オンラインの売場が活性化すればするほど、手動での在庫管理の難しさを感じていました」

BOOKMARUTE 田中さん

 田中さんが出勤していない日に売れた商品は情報共有がされ、次の出勤時にExcelの在庫一覧にまとめて反映する。こうした作業を繰り返していた2021年6月、「STORESの管理画面内で『STORES レジ』のリリースを知り、興味を持った」と言う。

「これまでクレジットカードやキャッシュレス決済用の端末は導入していましたが、現金のやり取りはドロワーを使って手動で行っていました。店舗とECの売上と在庫が一元管理できるのであれば便利だなと思い、Twitterなどで使用感などをしばらく情報収集し、オーナーにも相談して2021年10月ごろに利用を開始した流れです」

 売上・在庫の一元化を実現すると同時に田中さんが便利だと感じたのは、直感的にレジ操作ができる点にあったと続ける。

「ECへの商品登録時に、本の表紙や一部のページを撮影して掲載しています。目の前にある売れた商品と同じ画像を一覧から選べばレジ処理ができ、そのまま在庫に反映されますし、EC上のカテゴリーやスタッフ間で共有しやすいように作成したカテゴリー別に絞り込んで商品検索もできるため、ほかのスタッフにもすぐに使いかたは馴染んだようでした」

 また、基本的には一元管理をしながらも、商品によっては店舗分とEC分の在庫を分けることができる仕様は「BOOK MARUTEの売りかたに合っている部分があると感じた」と説明する。

「たとえば作家さんから納品いただいた10冊のうち、3冊にサインをいただいて店舗限定で先着販売するとします。こうした際に、別々に商品登録をしなくても7冊は店舗とECの共通在庫、3冊は店舗のみの在庫として管理できたので便利だなと感じました」

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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