テイクアウト専門店拡大中!IT投資も積極的なスシロー
スシローの対コロナ戦略も確認しておく。新たな試みはテイクアウト専門店である。東京駅地下街の都心型店舗に併設する形でオープンした店舗(写真)を含め、新型コロナの感染拡大に対応するために開発した。すでに15店舗を開業しており、22年9月までに1億4,600万円の投じて、新たに20店舗をオープンする予定だ。
持帰り寿司の「京樽」を含め、今後はテイクアウト事業の拡大も視野に入れていると推定できる。
“非接触”“IT化”もキーワードである。スシローでは「LINE」を使って座席受付・予約ができる。「Googleアシスタント」ならスマホに話しかけるだけで座席の受付が可能だ。セルフレジや自動案内、土産ロッカーなど「非接触型サービス」を徹底。「画像認識会計システム」の開発・導入も推進している。回転寿司用の皿にはICチップを内蔵しビッグデータを分析することで、最適メニュー・サービスの提供を実現するとしている。
日本マクドナルドHDや「ケンタッキーフライドチキン」の日本KFCHD、「焼肉きんぐ」の物語コーポレーション、「コメダ珈琲店」のコメダHDなど、コロナ禍における外食勝ち組に共通するのは、「テイクアウト」「デリバリー」、それに広い駐車場を完備した「郊外型立地」である。
トヨタ自動車の本拠があるだけに車の利用客が多いということか、物語ポレーションとコメダHDの本店所在地は愛知県だ。
スシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIESが発表している「設備状況」によれば、国内の1店舗平均の帳簿価額はおよそ2億円だ。数年前の平均5,500万円からは大幅増である。
基本的に、スシローは郊外立地店舗が多数を占めるが、このところ都心部への新規出店に積極的だ。新規出店と店舗のIT化に積極投資を進めていることで、1店舗平均の帳簿価額が高くなったことは確実だ。
入店から退店まで従業員と接することなく飲食できるセルフ会計やセルフレジを導入するとともに、抗菌寿司カバー「鮮度くん」を開発した、くら寿司の1店舗平均資産価値は5,000万円台である。アフターコロナでの回転寿司対決も見ものだ。