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EC関連企業の財務状況をきまぐれにチェック

業務スーパーとコメダ珈琲店、コロナ禍でも業績拡大中!“稼ぐ力”の共通点は

 スーパーマーケット「業務スーパー」とコーヒーチェーン「コメダ珈琲店」の稼ぐ力に迫ってみた。「小売」「外食」と業態は異なるが、実は共通点は多いのだ!

コロナ禍でも強い、2社の共通点は“商品開発力”

 「業務スーパー」と「コメダ珈琲店」の共通点のひとつは、2社ともコロナ禍を克服して業績を拡大していることだ。

 業務スーパーの運営会社である神戸物産は間もなく21年10月期決算を発表するが、前期比で増収増益は確実な勢いだ。コメダ珈琲店を展開するコメダホールディングス(HD)も、22年2月期の年次決算に向けて順調な歩みを見せている。

  2社とも47都道府県への出店を完了。それぞれの店舗数も1,000店に迫りつつあるが、大半がフランチャイズ(FC)店舗というのも共通点である。業務スーパーの直営店は、たったの2店舗。コメダ珈琲店もFC店舗がおよそ95%を占める。

  同じFCビジネスの展開でも、オリジナル商品の自主製造に注力しているのも共通する。2社は「小売」「外食」というよりは、食品加工メーカーであり、卸売業と見たほうがいいだろう。

 神戸物産は、1990年代に中国で自社工場を稼働。2006年にはエジプトに進出して広大な砂漠の農地化に取組み、現在では小麦を収穫する。国内でも農園や養鶏場を運営しているほか、自社設立・買収でパン、珈琲豆、肉類、乳製品、麺類、酒類などの工場を拡張してきた。同社のホームページによれば、国内で運営している食品加工工場は20数か所、世界的には350を超える工場と協力関係にあるという。TVでも紹介されて話題になったユニークなオリジナル商品は、それら工場で開発製造されているわけだ。

 コメダHDもパンは自社製造、看板商品のコーヒーもオリジナルブレンドである。餡(あん)の製造工場も稼働させている。

神戸物産の概要

 神戸物産がFC本部として運営している「業務スーパー」は、名称からも明らかなように業務用ユーザーをターゲットとしてスタートとしたスーパーだ。顧客の外食店舗などが、サッと調理すればメニューとして提供できるようにした半加工品が多いのもそのためである。他店では見かけない直輸入のオリジナル海外品も目につく。

 種類が豊富な冷凍食品や肉加工品、調味料、海苔類など“容量が多くて安い”と、誰もが実感できる価格設定だ。3、4人家族なら割安で購入した食材を使い、ひと手間かければ食卓に並べられるということで、現在では一般ユーザーの利用が大半を占めるようになったようだ。

 図表に示したように、神戸物産のビジネスを単純化すれば、店舗に「生産・仕入」した商材を提供し、その見返りとして売上高を獲得しているという構図だ。ビジネスの直接な対象は、あくまでもFC店舗である。 20年10月期における「業務スーパー事業」でいえば、FC877店舗(ほかに直営2店舗)に向けて2,878億円の商材を納入して、最終的に3,201億円の売上高を計上している。

 売上額は納入額を11%上回る。18年10月期、19年10月期も同率である。

 神戸物産のFC契約の基本は「ロイヤリティは総仕入高の1%相当額」だ。それを含めて、納入額に対して11%を上乗せしていることになる。

  神戸物産の企業としての売上高営業利益率は、6~7%で推移。スーパーとしても卸としても高い水準だが、21年10月の予想はそれを上回る8%強である。商品の企画開発力が稼ぐ力の源泉であることはいうまでもない。

 神戸物産のFC契約先は企業が多いのも特徴だ。なかでも、タイヤなどカー用品の販売も手がけるG-7ホールディングス(HD)とは、共同歩調で成長してきたといえるだろう。G-7HDがFC契約で運営する業務スーパーの店舗数のここ3期の推移は「137店舗→145店舗→165店舗」である。

 神戸物産が開示しているG-7HDへの売上高は「499億円→545億円→657億円」だ。

 決算時期は異なるが、神戸物産の1店舗1日平均の納入額はおよそ100万。G-7HDがFCで運営する業務スーパーは、神戸物産からの仕入をベースに1店舗1日平均140万円前後を売上でいるようだ。

コメダHDの概要

 コメダ珈琲の多くは車での利用が可能な郊外立地である。広々とした店舗空間に多数の新聞・雑誌も置いてあり、ゆったりとした時間を過ごしたいというニーズが高い顧客には最適だろう。接客も、セルフ方式が主流のコーヒーチェーンとは対照的に、店舗定員によるフルサービス型だ。

  FC店舗への商品の卸と、店舗建物・内装などの施工による「店舗開発収入」を源泉に、営業利益率は20%前後キープ。22年3月期も22%を見込む。

 コメダHDの強みは、FC加盟店の「コメダ珈琲店」に自社製造のブレンドコーヒーやパン類を直接供給していること。それに独特の店舗運営ノウハウの提供である。2つを武器に「稼ぐ力」を高めていると言えるだろう。  

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この記事の著者

ビジネスリサーチ・ジャパン(ビジネスリサーチ・ジャパン)

1995年設立。代表・鎌田正文。週刊誌や月刊誌、経済誌などを中心に、金融・流通・サービス・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材・執筆。著者に『図解! 業界地図 2018年版』(プレジデント社)、『図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本 2012年版』(新人物往来社)、『図解 人気外食店の利益の出し方』(講談社+α文庫)、『[図解]儲けの秘密がよくわかる本』(PHP研究所)、『[図解]気になるあの会社の給料がわかる本』(PHP研究所)『取締役の値段 6: 社会インフラ関連業界 [Kindle版] 』『図解!業界地図2017年版』など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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