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取引額約16兆円の中国「独身の日」セール! 日本企業の売上と人気商品とは?


 11月11日(ダブルイレブン)は、中国「独身の日」だ。その日に向けて、年に一度の大セール合戦が行われることで知られている。日本企業も多数参加し、10兆円を超える取引額(流通総額)で世界から注目されているイベントでもある。2021年の独身の日、どのような日本企業が商戦に参加し、よく売れた商品はどのようなものだったのか、販売を支えるライブコマースについてお伝えしていこう。

年に一度の大セール! 中国「独身の日(ダブルイレブン)」

 11月11日は、中国で「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれ、1が4つ並ぶことから独身男性を揶揄する意味があるとされている。英語ではSingles Day(シングルズデー)。1990年代ごろから若者の間で婚活が盛んになり、それに伴って商戦が始まるようになったのは2009年からだ。

  2021年、政府によるIT企業への統制が強まる中、独身の日の取引額は、中国ECの二大巨頭とも言われるアリババと京東(ジンドン)の2社合計で約15兆6,000億円(8,894億元)となり、過去最高を記録した。

 アリババは独身の日のセール期間を11月1日から11月11日までの11日間とし、この期間で約9兆5,000億円(5,403億元)の取引額となった。京東のセール期間は10月31日から11月11日の12日間で、取引額は約6兆1,000億円(3,491億元)だった。

 独身の日のセールは、年々その規模を拡大している。経産省「電子商取引に関する市場調査(平成30年度)」によると、2014年の独身の日の取引額は805億元、2015年は1,230億元、2016年は1,770億元、2017年は2,540億元、2018年は3,143億元となっている。

 調査は2018年までだが、2019年のアリババ・京東の2社合計は4,724億元、2020年は7,697億元だ。そして2021年の15兆6,000億円という数字は、2021年度の東京都の年間予算よりも大きい。

「独身の日(ダブルイレブン)」で堅調な売上を維持した日本企業

 2021年、アリババの越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」では、29万のブランドが参加、1,400万を超える値引き商品が販売された。Tmall Globalの中でも日本ブランドは根強い人気があり、トップクラスの売上を誇る。2020年は、EC大国として不動の地位を築いている米国を押さえてトップの座についた(参考記事)。

 例年、人気商品としてランキング上位入りをするのが、日本ブランドの健康食品や美容機器、育児・ベビー用品、化粧品などだ。例えば、サプリメント、美顔器、紙おむつ・粉ミルク、スキンケア・メイクなどのアイテムが該当する。

 2020年、Tmallでの売上が1億元を超えた店舗は474店舗だ。その中でも、10億元以上となったのは30店舗で、そのうち3店舗が日本企業。ユニクロとSK-Ⅱ(P&Gジャパン)、資生堂が名を連ねている。

 数ある海外ブランドの中でも、輸入商品の販売ランキングでは、ヤーマンの美顔器が1位、花王と資生堂がスキンケアセットでそれぞれ4位と5位にランクイン。花王の「キュレル」(乾燥性敏感肌用スキンケア・ボディケア用品)」が13位、ドクターシーラボ(皮膚専門家によるドクターズコスメ)が15位で、コスメ人気の高さを表している。

 2021年は中国企業の売上が全体的に好調だったが、その中でも堅調な売上を見せた日本企業は、資生堂やシュウ ウエムラなどのスキンケア用品・化粧品会社だった。開始から半日で昨年の売上を上回ったと報告されている。

 日本の中古ブランド品も人気を集め、ハイブランドアイテム専門の「RECLO(リクロ)」や「大黒屋」の名前が挙がった。また、ウイスキーの消費が高まりつつあり、「サントリー」「キリン」という業界大手の中に、鳥取の酒蔵「松井酒造」の名が見受けられたことにも触れておきたい。

 売れている日本ブランドは大手企業のものが中心だが、品質の高さで健闘する中小企業もある。独身の日の売上を支える大きな要素であり、売上を大きく伸ばす手段として認知されているのが、ライブコマースだ。人気インフルエンサーを起用し、商品の機能や魅力をライブ配信で伝え、その場で直接顧客に購入を訴えかける。

人気インフルエンサーの起用で30億円稼いだ日本企業

 人気インフルエンサーが登場するライブコマースは独身の日セールのメインイベントともいえる。ここでは、ライブコマースに人気インフルエンサーを起用、または動画を活用して販売促進した3例を紹介しよう。

  なお、2020年インフルエンサーの売上トップ3は、113億元(1,978億円)、78.7億元(1,377億円)、17.7億元(310億円)で、トップ10を合計すると233億元(4,078億円)という規模になる。

美顔器メーカー「ARTISTICS&CO」

 2020年、人気インフルエンサーを起用して30億円を稼いだ日本企業がある。ARTISTICS&CO(アーティスティックアンドシーオー)という、美顔器やスキンケア用品メーカーだ。

  独身の日のセールで美顔器が飛ぶように売れるのは、前述したヤーマンの売上が電子美容機器において2021年で6年連続1位を獲得している(参考記事)ことからも疑いの余地はない。もともと人気商品とはいえ、他社との違いや品質の高さなどを訴えなければ購入にはつながらない。

  そこで、登場してくるのがライブコマースだ。顧客は画面越しに語りかけてくる人気インフルエンサーの言葉に耳を傾け、聞きたいことがあればチャットで質問し、すぐに回答を得ることができる。リアルタイムのコミュニケーションで商品に対する理解や安心感を深めて購入できるのが大きな魅力といえる。

  ARTISTICS&COは、2008年に岐阜県で設立された会社で、海外展開を開始したのは2016年。2018年には上海に中国支社を設立している。2019年には20億円を稼ぎ出し、2020年には30億円、そして2021年には売上50億円を達成した。

女性向けボディケア用品メーカー「lojus」

 女性向けボディケア用品ブランド「MAPUTI(マプティ)」を手がける「lojus(ロフス)」も同様だ。2015年に創業した同社は、独身の日に向けて影響力があるインフルエンサーの起用を計画。こちらは、社長自ら出向いて行ってインフルエンサー本人に直談判をしたという。

 日本ブランドがサンプルを持参して交渉のテーブルについたことが受け入れられ、2017年、インフルエンサーの起用に成功。インフルエンサーによってネット上で紹介されたことや競合他社が少ない商品だったことなどもあり、中国国内での認知度が高まっていったという。

@cosmeで知られる「istyle」のボディクリーム

 istyle(アイスタイル)はボディクリームのメーカーではなく、「@cosme(アットコスメ)」というコスメの口コミサイト運営と店舗販売している企業だ。自社基準で選定した各社の商品を取り扱う。

 同社が選んだのは人気インフルエンサーではなく動画コンテンツ。ライブコマースでこそないものの、商品の特徴や使い方などを伝える動画で前年比36%という売上を達成した。

次の「独身の日(ダブルイレブン)」はどうなる

 近年では、人気インフルエンサーの起用競争が激しく、起用が難しくなりつつあるともいわれる。動画コンテンツや中国の現地法人との提携など、人気インフルエンサーだけに頼らない戦略も必要になるだろう。年々売上を拡大する独身の日セールは、次回、どれほどの規模になるのだろうか。

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