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ライブコマースとは何か?顧客に新体験を提供し売り上げ向上につなげる施策


 ライブコマースとは、ライブ配信などによって商品を販売する方法です。ネットショッピングが一般化している今、多くのユーザーに浸透し始めている手法のひとつですが、そもそもライブコマースとはどんなものなのか、なぜ販売方法として注目されているのかをまとめました。

ライブコマースとは?基本的な情報まとめ

 ライブコマースの基本的な情報をご紹介します。ライブコマースはネットショッピングとライブ配信とを組み合わせた販売手法であり一般にも広く知られるようになりましたが、その歴史はまだまだ浅いため、きちんと理解している方も多いでしょう。ライブコマースの基本的な意味や、世間に浸透するようになった背景を解説します。

Beautiful asian woman blogger showing clothes in front of camera to recording vlog video live streaming at her shop

ライブ配信による販売形態

 ライブコマースは、ライブ配信によって商品を売る販売形態のことです。コマースは英語でスペルは「commerce」、「取引」「通商」という意味があります。

 ネットショッピングは手軽に商品が購入できるのが利点ですが、一方で公開される情報が限られているために、購入したもののECサイトで見たイメージと異なっていた、という行き違いが起きやすいことがデメリットです。

 ライブコマースは、そのデメリットをカバーする販売形態といえるでしょう。ライブ配信は配信者と顧客がリアルタイムでコミュニケーションをとることができるため、たとえば顧客がECサイトの商品写真では写っていない部分を見せてもらうように依頼したり、商品の使用感についてリアルな体感を聞いたりすることができます。 実物が見られないという不安を払拭し、ネットショッピングを促進させるのが最大のメリットです。

中国から拡大したライブコマース

 ライブコマースはもともと、中国で流行りだした販売形態です。2021年現在でも中国のライブコマース市場は好調で、2020年の市場規模は約525億元、日本円で約8,000億円にもなるとされていました。

  中国でライブコマースが急成長した背景としては、偽物が多く出回っていたためか口コミが重視されているという点があげられるでしょう。また中国にはKOL(Key  Opinion Leader)と呼ばれる強い影響力を持つインフルエンサーも多く、KOLがライブ配信することで売り上げに貢献しています。

  ライブコマースに関しては、日本は完全に中国に後れをとっています。MMD研究所が2021年4月にとったアンケート調査によると、ライブコマースの認知度は43.2%と半数を下回る結果となりました。実際に利用した人の数も約12.7%と、まだまだ浸透しているとは言い難い現状です。

ライブコマースのメリット4選

 ライブコマースのメリットを4つにまとめました。日本ではまだ認知度が低いライブコマースですが、すでに中国では1~2時間で数億を売り上げた実績があります。急速に発展していることからも、ライブコマースがユーザーのニーズに沿った施策であることがわかるでしょう。ライブコマースがそれほどまでに必要とされるメリットを解説します。

アパレルショップ スマホを使う女性

1.新規顧客の流入

 従来のECサイトの販売方法では、実店舗からの流入、ネットの広告からの流入など、ショップそのものに興味のある顧客が中心でした。しかし、ライブコマースでは、インフルエンサーや芸能品を起用することで、購入目的だけでなくライブ目的できた顧客など、新規顧客の流入が見込めるのが特徴のひとつです。

 また、ミレニアル世代やZ世代をはじめとした若い世代は動画慣れしているという特徴があります。近年の10~20代は学生のときからスマートフォンがあった世代で、スマートフォンでTikTokやInstagram、YouTubeといった動画配信を日常的に楽しむ傾向にあるようです。

そのため、若い世代をターゲットとしたいのであれば、有効な販売方法といえるかもしれません。

2.ECでの購入体験を変える

 従来のECでは、顧客はサイトの写真からしか情報を得ることができず、購入してみるとイメージと異なっていた、というミスマッチが発生しやすいという点がネックでした。

 ライブコマースはECでありながら実店舗のような商品比較ができ、事前に商品に対する疑問を解消してから購入できるなど従来のECとは異なる新鮮な購入体験ができる点がメリットです。

 ライブ配信を通じて、配信者と顧客が双方にコミュニケーションをとりながら購入できるため、単純にECサイトにある写真を見て回るよりも臨場感のある購買体験が得られるでしょう。

 特に2020年以降はコロナ禍による在宅が増え、ライブコマースは娯楽のひとつとしても認知されるようになりました。自宅で実店舗のような購入体験ができる、インフルエンサーの配信を見られるといった点で、外の人との接点が少なくなった方々にとっては家でも楽しめるコンテンツとなっているようです。

3.商品情報が正しく伝わる

 ECの写真だけでは伝わらない質感やサイズ感など、商品の情報を正しく顧客に伝えることができるのもライブコマースの特徴です。 前述したように、中国では商品の品質を確かめてから購入したい、というニーズに応えたことが爆発的なヒットの要因でした。

 顧客はリアルタイムで配信者に質問ができるので、ECサイトで公開されている情報だけではわからない細かい情報まで正しく伝えることができます。そうすることで、購入につながりやすくなると同時に購入後のミスマッチを防ぐことができます。

4.顧客の声を反映しやすい

 ライブコマースの特長は配信者と顧客がコミュニケーションをとれる点、つまり配信中に顧客のリアルな声を聞くことができることです。

 ライブコマースのシステムによっては配信中にコメントを残すことができ、送信されたコメントはデータとして残るため商品企画に反映することができるでしょう。

 顧客にとっても、購入後にサイトでレビューを書くよりは配信中にコメントをするほうがハードルも低く、本音を言いやすいというメリットがあります。

ライブコマースのデメリット2選

 メリットの多いライブコマースにもデメリットはあります。実際、日本でライブコマースが注目されはじめたのは2017年頃ですが、導入してもうまくいかずに撤退してしまった企業もあります。

 ライブコマースのデメリットを大まかに2つにまとめてご紹介しましょう。ご自身で導入する前に、これらのデメリットが弊害になるかどうかをよく検討してみてください。

スマホを使う中年男性

生放送のため事前準備に比重がかかる

 そもそもライブ配信を見る顧客を増やすために、事前の宣伝を十分におこなう必要があります。ライブコマースは基本的に生放送となるため、その時間帯に配信が行われることを顧客に知ってもらわないと意味がありません。

 また、生放送である以上は配信中にトラブルが発生する恐れもあります。単純な配信の不調であったり、インフルエンサーの失言があったりした場合、企業や商品のイメージダウンにつながる可能性もあるでしょう。

インフルエンサーによって効果が異なる

 ライブコマースは注目しやすさを重視する以上、インフルエンサーや有名人を起用することが多くなっています。そのため、商品やサービスの魅力以前にインフルエンサーの影響力に左右されやすいというデメリットがあります。

 インフルエンサーや有名人を起用する際には、どの層に影響を与えることができるのかを考慮する必要があり、且つインフルエンサーや有名人自身に商品やサービスに対する知識も重要です。

 日本でライブコマースがうまくいかない要因のひとつとして、顧客と商品とをうまくつなぐことのできる熱量のあるインフルエンサーがまだ少ないという点があげられます。ファンが多くてもインフルエンサー自身が商品の魅力を十分に伝えられなかったり、顧客が満足するコミュニケーションがとれないことが多いようです。

日本のライブコマース事例

 撤退した企業もあるとはいえ、日本でもライブコマースをおこなっている企業は増えて来ています。中でも継続的にライブコマースを取り入れている企業の事例を3つご紹介しましょう。

 それぞれ扱っている商品やリーチする顧客の層、インフルエンサーの起用の有無などが異なるため、ご自身で取り入れるべきタイプが見つかるかもしれません。

撮影・ミラーレス

資生堂

 化粧品大手の資生堂は、ビューティーコンサルタントによる商品の特徴や使い方のレクチャーなどをライブ配信でおこなっています。オンラインでのカウンセリングも取り入れ、顧客と積極的にコミュニケーションをとっている点が特徴です。

 実は日本国内向けにライブコマースをスタートさせたのは2020年からで、その前は先駆けて中国で越境ライブコマースをおこなっており、売上も好調のようです。

コレイヨ

 コレイヨは2021年4月からスタートしたショッピングライブサービスです。テレビ通販歴25年の実績を持つジュピターショップチャンネルと、これまでSNSを通じて20~30代を対象としたファッション動画を提供してきたC CHANNELが業務提携しました。

 映像を通じて商品の魅力を伝えるテレビ通販と、SNSでの動画配信とを組み合わせた施策となっており、配信はママタスとC CHANNELのインスタで行われています。

Tabio

 靴下専門店のTabio(タビオ)は、2020年からライブコマース配信をスタートさせました。インフルエンサーではなく、ショップスタッフが商品の紹介をライブ配信でおこなっているのが特徴です。

 週に1度以上の頻度で配信を行い、新作やファッションの紹介などをしています。オンタイムで見ることができなくても、Tabioの公式ページのアーカイブで過去の配信動画を見ることができます。

ライブコマースを導入する方法2選

アイドルの動画配信・ライブ配信・オンラインライブ

 ライブコマースを導入するときに使えるシステムを2つご紹介します。ライブコマースが注目されるようになったこともあり、ECサイト運営をしている方にとってライブ配信がしやすくなるよう、ライブ配信方法の選択肢も広がってきました。

 従来のシステムが連携できるようになったり、新しくシステムが誕生したりしているので、ご自身に合った方法を選んでみてください。

1.SNSとECショップを連携させる

 ひとつ目は、InstagramやYouTubeなどのSNSと既存のECサイトを連携させる方法です。従来のSNSを活用することで顧客もライブ配信を見やすくなり、宣伝もしやすくなるでしょう。特に既存のECサイトがある企業の場合は、新しくシステムを構築する手間も省けます。

 特にインフルエンサーと相性のいいInstagramや、国内最大級のプラットフォームに成長したLINE LIVEなどは、ライブコマースでの一定の集客が見込めます。

2.ECサイトに直結しているライブアプリ

 これからECサイトを立ち上げる予定の企業におすすめなのが、ライブ配信機能があるECサイトをつくることができるアプリを利用することです。SHOPROOMやHandsUpなどが代表的ですが、それぞれ特徴が異なります。

 SHOPROOMはライブ配信サービスSHOWROOM内のサービスで、ライブ配信にショップ機能が付いています。アイドルやアーティストが自身のオリジナルブランドやコラボ商品を販売することが多く、メインユーザーの年齢層も若干低い傾向にあります。

 一方でHandsUpはライブコマースに特化したタイプで、WEGOやEGOISTなどの有名アパレルブランドにも取り入れられています。複数のSNSに同時配信できるのが特徴で、より幅広いユーザーへのアプローチが可能になるでしょう。

ライブコマース導入で売り上げアップを目指せ!

 ライブコマースの意味や実例についてお伝えしました。日本におけるライブコマースは相性のいいインフルエンサーがいないなどの課題もまだ多いですが、ライブコマースによって売上が伸びたという実績もいくつかあります。 コロナ禍になって再び需要が高まってきているという現状もあるため、今後ますます注目される可能性はあるでしょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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