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季刊ECzine vol.02 特集

かっこいい、だけでは生き残れない ナノ・ユニバースが、今「動画」に力を入れるワケ


 流行の最先端を走り、広い世代の支持を集めるセレクトショップ、ナノ・ユニバース。 ブランドイメージが何より重要な業種だが、ウェブでの集客にはどのような工夫があるのだろうか(※本記事は、2017年9月25日刊行の『季刊ECzine vol.02』に掲載したものです)。

 これまで、ウェブ上で集客を行う手段はSEOや広告といった施策が王道であった。しかし数年前からここに「SNSなどのコミュニティサービス上での言及」という新しい手段が加わり、今ではすっかりおなじみとなった。そしてSNS上で比較的話題となりやすいのは、大衆的な話題やキャラクター、それに企業などが時折見せる素の姿だ。しかし、ブランドイメージのコントロールが重要になるナノ・ユニバースのような企業では、その選択肢はある程度限られてくることが予想できる。SNSなどでバズを起こすためには、時にコミカルな要素も必要になってくるが、ファッションブランドにそれは許されるのであろうか。

 今回は、集客とブランディングのバランスを絶妙に調整し、試行錯誤を続けるナノ・ユニバースの姿を、ウェブ施策全般の責任者である越智将平さんにうかがった。

10年前からオムニチャネルを意識
IT企業顔負けの先進技術を使ったプロモーション

株式会社ナノ・ユニバース 経営企画部 WEB戦略部長 越智将平さん

 多くのブランドが現れては消える競争の激しいアパレル業界において15年以上支持され、男女問わず根強い人気を誇る、ナノ・ユニバース。今や流行の最先端に位置するセレクトショップのひとつといって異論はないだろう。

 同ブランドにおいてウェブ施策を一手に担っているのが、経営企画本部 WEB戦略部長の越智将平さんだ。ECサイトやアプリの企画開発に始まり、同社のデジタルマーケティング全体をリードしている越智さんは、店頭販売員としてキャリアを重ねた叩き上げである一方、時代の変化に応じてさまざまなことに挑戦してきた過去を持つ。

「私が入社した15年ほど前のナノ・ユニバースは、今で言うベンチャー企業のような雰囲気で、少数のメンバーがあらゆることを兼任している状態でした。2005年頃、ZOZOTOWNに出店した頃からECという業務がそこに加わり、私が担当となりました。その後のECの成長とともに業務範囲が広がり、いつの間にかウェブやEC専任になっていたという経緯です」(越智さん、以下同)

 大手モールへの出店から開始し、やがて自社ECを開始させたナノ・ユニバース。当初から見つめていたのは、今で言う「オムニチャネル」だったとのことで、その解決策として着手したのが物流だったと言う。

「それまで、我々のようなアパレル事業者の『物流』と言えば、店舗に配送することを意味していました。ECを始めるとなれば個人のお客様に配送する必要が出ますが、その場合はまず倉庫を分けることがそれまでの常識でした。我々はそれらをすべて集約し、サービスを一元化することを目指して動いていたのです。物流の統合とサービスの拡張を合言葉に、オムニチャネルのファーストステップ実現に向けて日々邁進していました」

 同社は、オムニチャネルの根幹となる物流システムを構築した後、基幹システム、CRM、ECといった順番で一歩ずつ歩を進め、2014年のリニューアルの際には、顧客統合、店舗とECの在庫の一元化などを行ったという。

 そんなナノ・ユニバースだが、社内にエンジニアは在籍しておらず、各種開発は外部ベンダーと協力して行っている。しかしIT活用には非常に積極的で、位置情報を内蔵したIoT機器を発売したり、動画内にクリック可能なボタンを設置できる技術を用いた「触れる動画」を制作したりなど、まさにIT企業顔負けの最先端技術を駆使したプロモーションを立て続けに発表している。

「今はチャットボットの開発に着手したところです。事務的に話すだけのボットでは面白くありませんから、我々からも会話や用語のアイデアなどを出して共同で開発しています。アパレルとテクノロジーの理想的な組みかたと言いますか、最大限のシナジーを発揮するために、楽しみながら試行錯誤しているところですね」

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この記事の著者

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

ECZine編集部です。ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

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渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。 執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。 会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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