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越境ECは価格とプロモーション 「じわじわ売れて、儲かる」戦略を

定点観測 越境EC
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2017/08/17 07:00

 2017年3月に刊行した『売れるECサイトのすごい仕掛け』で各分野における2016年の動向を総括した専門家には、2017年のスタートはどのように見えたのか。定点観測を行うことで、EC業界の全体像が見えてくる(※本記事は、2017年6月25日刊行の『季刊ECzine 2017年夏号』に掲載したものです)。

プラットフォームのポートフォリオを作成し
越境EC専任担当者を作ろう

 前回の定点観測から3ヵ月経っても、円高基調は続き、越境ECには一見不利な環境となっている。

 「長年の歴史を振り返っても、80円から120円の間で変動することは確実です。変動するということを頭に入れておかないと、越境ECでの成功は難しいと思います」 現時点で、越境ECの課題は「価格政策」と「集客」の2つだと、らむねさんは言う。前者の価格政策に関しては、そもそもの円が変動するから、また難しいのだ。

 「まず、円建てか現地通貨建てかの判断をし、価格をコントロールできるプラットフォームに出すのか、価格をコントロールできなくてもいい、すなわち卸にすると割り切るのかを決めます。自分たちの商品の限界利益を把握して、いくらで出せば儲かるのかを考える。越境ECはチャレンジですが、そろそろ、儲からないことをやっても仕方ない段階ですから」

 もう1つの課題である集客にも、この価格政策はかかわってくる。

 「とくに中国の方は、安くするのがいちばんのプロモーションだとおっしゃいますし、実際にそれで成果も出ます。でも裏を返せば、非常に厳しいことでもあります。消費者の立場に立ってみれば、一度安く買ったものをそれ以上の値段で買ってほしいと言われても、なかなか難しいでしょう」

 プラットフォームの話が出たが、中国においてはアリババが運営する「天猫国際」、ジンドンが運営する「JD Worldwide」、そしてグローバルではeBayとAmazon.comといった限られた選択肢だった。それが、中国に限って見ても、あるジャンルに特化したさまざまなプラットフォームが登場している。

 「国内では、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、自社サイトでそれぞれ売上がこれくらいだから、これくらい投資をしよう、在庫を割こうというポートフォリオが作られていますよね。越境ECでも、そろそろこのポートフォリオを形成できる段階に入ってきたのではないでしょうか。どこでどれくらい売れたと一喜一憂するのではなく、無理なく継続できる体制を整える。他社さんの成功事例も出てきているので、自社の越境ECの“あらまほしき形”を整えていくべきだと思います」

 ポートフォリオと言うとおり、1つのプラットフォームに限らず、分散することが重要だとらむねさんは言う。

 「1つのプラットフォームに限定すると、そこで失敗したら越境ECそのものが失敗しかねません。オペレーションが難しいと思いますが、そろそろ社内で、越境EC専任の担当者をつける時期が来ているのではないでしょうか。ECの初期の頃、ウェブ担当者がいろいろ兼任していたのを、EC専任にしたことを思い出していただきたいと思います」

  越境EC専任が活躍するにあたって、課題となるのは情報共有だ。

 「楽天市場の店長さんたちは、集まってノウハウを交換されています。そういった場が、越境ECで生まれるといいですよね」

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