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2020年国内パッケージ市場は3.2%減 脱プラで一時減も環境対応製品開発で回復か/富士キメラ総研

 富士キメラ総研は、SDGs(持続可能な開発目標)対応要求の高まりを背景に、バリア性を訴求した包材や、紙・バイオ樹脂をはじめとする非石化・環境対応素材の採用、さらにはプラスチックの回収スキーム構築による廃棄量削減などの取り組みが進んでいる容器包装・材料の国内市場を調査した。その結果を「2021年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」にまとめた。

容器包装・材料の国内市場

  2020年 2024年予測 2020年比
飲料・液体容器 1兆3,673億円 1兆4,397億円 105.3%
食品容器包装 1兆1,062億円 1兆1,446億円 103.5%
軟包装・フィルム・シート 9,097億円 9,360億円 102.9%
包装資材 4,744億円 4,698億円 99.0%
メディカル 872億円 929億円 106.5%
合計 3兆9,447億円 4兆831億円 103.5%

 国内の容器包装・材料市場は成熟しているものの、高齢者の増加や個食化の進行などを背景とした中食需要の増加や、バリア性などの機能を付与した高付加価値品の採用増加により、2019年まで微増が続いていた。

 2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大および防止対策の影響により、飲料・液体容器、包装資材を中心に全分野でマイナスとなり、前年比3.2%減となった。主に、テレワークの普及によるCVS向け飲料・食品の容器包装、外食産業向け包装資材の減少、さらにはイベント会場で使用される容器の需要が大幅に減少したことが大きな要因となった。

 一方で、巣ごもりによる中食・内食需要の増加から、スーパーマーケットを中心に食料品の販売が拡大したことや、飲食店によるテイクアウト・デリバリーサービスの展開が進んだことで、容器包装やフィルム包装の需要が増えた。また、賞味期限延長を可能とする高バリア性材料の採用、衛生向上を目的にスーパーマーケットでの惣菜の販売がバイキング方式から個包装にシフトしたことによるフードパックの採用増加など、新たな需要もみられた。

 包装資材は脱プラスチックの影響により2020年比で縮小が予想されるが、ほかのカテゴリーが好調に推移し、全体市場は2024年には2019年の規模まで回復し、4兆831億円が予測される。

飲料・液体容器

 2020年は外出機会の減少による清涼飲料向けの不調により、ほぼすべての品目が縮小し、前年比4.5%減となった。しかし、PE・PPボトルは、アルコール除菌液向けや、巣ごもり需要によるマヨネーズなど家庭用調味料向けが増加したため、伸びた。2021年以降市場は順調に回復し、紙容器の採用やプラスチック飲料容器における環境対応製品の開発などが進むことで、拡大が予想される。

食品容器包装

 2020年は中食需要の増加により、スーパーマーケット向けを中心とした惣菜容器やレンジアップ容器が好調だったことから、市場は前年比0.7%減にとどまった。また、テイクアウト・デリバリーサービスの展開により急きょ容器が必要になったユーザーが多かった。最初は比較的安価なPSP食品容器〈汎用〉やHIPS食品容器が選択されていたが、現在では、レンジアップの可否など提供する食品に適した容器を選択するユーザーが増えており、発泡容器や耐熱性を有する中皿、ふた材の需要が増加している。 環境対応製品としては、脱プラスチックを目的に容器の薄肉化が進められてきた。しかし、薄肉化も限界に近づきつつあり、大手食品メーカーはバイオ樹脂、リサイクル樹脂を積極的に使用する方針に切り替えている。

軟包装・フィルム・シート

 2020年は土産物や業務用包材などの需要減少やフードロス削減による食品の生産量減少に伴い、市場は前年比2.1%減となった。紙製品の採用が増えており、バリア紙やヒートシール紙などの需要が増加している。ヒートシール紙は2019年に、コーティングを施すことでプラスチック製品と同程度の機能を付与したバリア紙は2020年に本格的に市場が立ち上がった。また、パウチでバイオPETやリサイクルPETを使用した製品の比率が上昇しており、大日本印刷や凸版印刷などを中心にモノマテリアル対応パウチの実用化・開発が行われている。

包装資材

 2020年は最終製品の需要減少に伴い多くの包装資材が縮小し、市場は前年比7.3%減となった。特に、2020年7月からの有料化によりレジ袋が大きく縮小した。 プラスチック資源循環促進法により、レジ袋に続いて、2022年4月からストロー、カトラリーの有料化などが予定されている。今後の需要減少が予想される一方で、レジ袋同様に環境対応製品であれば、無料配布の対象となる可能性もあり、さまざまな環境対応製品が展開されるとみられる。環境対応製品は高価格であることから、2022年以降は緩やかな市場拡大が予想される。

調査方法

富士キメラ総研専門調査員によるヒアリングおよび関連文献、データベース活用による調査・分析

調査期間

2021年4月~6月

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