SBTとNTT Comは、世界150以上の国と地域へ中古車を輸出するSBTの越境EC上において、各国の自国通貨での価格表示および決済を実現するための実証実験を開始、2022年1月まで行う予定。
本実証実験ではNTT Comが提供する「Home Currency Anywhere」を活用し、契約後の中古車輸送期間におけるレート保証を行うことで、利用者の利便性を高め、さらなるビジネスの拡大を目指す。また、NTT Com が提供する多言語翻訳機能を備えたコミュニケーションツール「NoMado」を活用し、海外との商談障壁を下げることで、取引拡大を図る。
中古車輸出越境ECへ自国通貨表示機能を実装し、利用率を測定。アンケートにより選択理由や使用に際しての感想を収集する。その結果を受け、ニーズが高い通貨について、自国通貨決済およびレート保証機能を実装し、利用率を測定。レート保証を選択した顧客については「選択した理由」や「次回も保証を選択するか」などについてアンケートにてニーズ調査を行う。
日本国内より海外へ輸出される中古車台数はここ数年堅調に推移し、現在約147万台、輸出額は7,000億円と推計されている。なかでも、2016年以降はアフリカの著しい経済成長に伴い、ケニアを中心としたアフリカ諸国への輸出が増えている。
日本からアフリカへの中古車輸出は船舶での輸送が中心で、出荷から現地での陸揚げまで30~40日程度を要する。輸出に際しては、販売者・購入者のリスク低減のため、契約から陸揚げまでの間に複数回に分けて料金の支払いを行うことが慣例だが、輸送期間が長期となるため、その期間の為替変動が課題となっていた。
現地の仕入れ業者は陸揚げまで最終的な仕入れ価格が決まらず、販売価格を設定できないケースがあり、個人購入者は最終的な購入価格が不明なまま契約をする必要があった。また、使い慣れない外国通貨表示により、契約や支払いの際に金額誤りが発生しやすいことも課題となっている。
これらの課題を解決するため、このたびSBTが世界150以上の国と地域へ展開する中古車輸出の越境ECにおいて、アフリカを含む各国の自国通貨での価格表示や決済および決済時のレート保証を実現するための実証実験を開始した。