Cloudflareは、サーバー側としては初となる大規模な「Early Hints」サポートの実装を発表した。
「Early Hints」は、追加料金なしにネットワーク上のウェブサイトを30%高速化できるというもの。主要なブラウザとの連携により、Cloudflareはインターネットの待ち時間を削減し、企業やインターネットユーザーにより高速でシームレスな体験を提供する。
現在の仕組みでは、ウェブサイトにアクセスした際、イメージやテキストなど、表示する必要のあるさまざまな要素のすべてに対する指示をサーバーから受け取るまで、ブラウザはそれらをロードすることができない。そこでCloudflareは、ブラウザと直接連携することにより、ウェブサイトをロードするための手順を簡略化し、待ち時間を削減する手法に注目した。
Cloudflareは「Early Hints」をブラウザに付与することで、上記の処理が完了するまでサーバーを待機させ、処理完了後にページをロードさせるのではなく、前もって重要な要素のロードを開始するようブラウザに通知。これによって、ユーザーがURLを入力してからウェブサイトのロードが完了するまでの待ち時間が短縮される。さらに、Cloudflareのグローバルネットワークが持つ規模、速度、機械学習を活用することで、サーバーに追加のアクションを要求することなく、この処理を実行できる。
Cloudflareの共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であるマシュー・プリンス(Matthew Prince)は、次のようにコメントしている。
「可能な限り最も速く、最も信頼できるインターネット環境こそが、すべての人々に提供されるべきです。Cloudflareは、まさにそうした環境を提供するためにグローバルネットワークを構築してきました。そして今、我々はその取り組みを一歩前へ進めようとしています。主要ブラウザを提供する企業と連携して、数多く存在する人気のウェブサイトやアプリケーションを完全に無料で、高速化します」
Shopifyのパフォーマンス・エンジニアリング部長のColin Bendell氏は、次のようにコメントを寄せている。
「起業家たちは、オンラインショッピングには第一印象が極めて重要であることを理解しています。Shopifyの独自データからもそれはおおむね明らかで、ECサイトで購入者が最初に見るページの表示時間が10%短縮されると、コンバージョン率が7%上昇することが分かっています。Early Hintsは、すべてのマーチャントと顧客のパフォーマンスとエクスペリエンスを向上させるツールになると期待しています」